電車の遅延を招く信号機の故障の原因は？
よくく電車の遅延理由で、『信号確認（信号トラブル）のため運転見合わせ』と聞きますが、信号確認って要するに何なんでしょうか？
信号機の故障の原因は？電車の遅延・運転見合わせ
電車の遅延を招く信号機の故障の原因は、大きく分けて2つあります。
1つ目は、軌道短絡です。これは、電車がいないのに、電車がいる状態になって、信号機が赤のまま変わらなくなる現象です。
鉄道の信号は、左右のレールに信号電流を流して、その信号電流が信号機にまで到達して流れることによって、電磁石のスイッチが入り青になって、電車が通行できるようになっています。しかし、電車がいないときに、電車のブレーキやレールを摩ったことによる鉄粉などが付着し、信号電流が短絡されて、信号機に届かなくなります。すると、電磁石に電気が流れなくなって、スイッチが落下して赤になってしまいます。
軌道短絡は、鉄粉や線路やケーブルの傷など、細やかで見つけにくいため、時間がかかってしまいます。そのため、電車を止めているわけにもいかず、その区間を徐行して進むことで、電車の遅れが生じます。
2つ目は、信号機の物理的な故障です。これは、信号機の配線がショートしたり、信号機の表示が消えたりなど、信号機自体が正常に機能しなくなる現象です。
信号機の故障は、天候や自然災害、老朽化など、さまざまな原因で発生します。信号機が故障すると、赤信号のまま変わらなくなってしまうため、電車が通行できなくなり、遅延につながります。
電車の遅延の原因は、信号機の故障以外にも、車両点検や踏切障害、人身事故、線路内人立ち入り、強風など、さまざまなものがあります。しかし、信号機の故障は、電車の遅延の原因として最も多いとされています。
信号トラブルは隠語？電車の遅延・運転見合わせ
電車の放送について、遅延などの理由で、飛び降り、痴漢、喧嘩などそのまま伝えることはありません。
『「線路内人立入り」は痴漢の隠語』と言うのは都市伝説で、「人立ち入り」と言われる時は本当に鉄道敷地内に人（一般人）が入っちゃってます。（公衆立入り）
立ち入った人が逃げる目的で線路に入ったような場合もありますが、入った理由は何にせよ人が立ち入っている状態です。
自殺でも事故にしても人と衝突する事故であれば「人身事故」と案内されています。
隠語ではなく「触車」と言う用語がありますが、今では旅客向けの放送ではこの言葉は使わないと思います。
ただホーム上での接触程度（動き出した車両の側面への接触など）であれば「ホーム上のお客様との接触」と案内される場合もありますし、会社によっては人身事故であっても「人身事故」の単語を使わずに「人と列車の接触」と言う表現をしている所もあります。
踏切で車と衝突したら「踏切事故」「踏切障害事故」
喧嘩などは「お客様対応」・「お客様同士のトラブル」などの言い方をしています。車内で急病人発生も「お客様対応」「急病人発生のため救護作業中」
信号トラブルとは？電車の遅延・運転見合わせ
電車の信号トラブルとは、電車が安全に走行するために必要な信号システムに異常が生じた場合に発生する現象です。
信号システムは、レールに流れる信号電流によって、電車の位置を把握し、赤信号、緑信号、または速度信号を出しています。信号トラブルが発生すると、このシステムが正常に機能しなくなり、電車が安全に走行できなくなってしまうため、運転を見合わせるなどの措置が必要になります。
信号トラブルの原因は、以下のようなものが考えられます。
- レールの絶縁部（信号と信号の境）がなんらかの理由で通電して信号が赤に変わったままになる。
- レールに亀裂が生じ、信号電流が正常に流れなくなり、信号が赤に変わったままになる。
- 分岐器がなんらかの理由で不転換を起こし、進路を取れなくなる。
- 信号装置のヒューズ切れで信号が赤になったり、分岐器が転換しなくなる。
- 線路に敷設されている信号ケーブルが損傷し、信号が変わらなくなる。
信号トラブルが発生すると、すぐに復旧することはできません。トラブルの原因を特定し、修理や交換などの対応を行う必要があるため、運転を見合わせるなどの措置が必要になります。
まとめ：信号機の故障の原因は？信号トラブルは隠語？電車の遅延・運転見合わせ
電車の信号トラブルとは、電車が安全に走行するために必要な信号システムに異常が生じた場合に発生する現象です。信号トラブルが発生すると、すぐに復旧することはできないため、運転を見合わせるなどの措置が必要になります。
電車の遅延の原因として、信号トラブルは最も多いと言われています。信号トラブルを防ぐために、鉄道事業者は信号システムの点検や保守を徹底しています。
