「白河の 清きに魚も 住みかねてもとの濁りの 田沼恋しき」の作者は誰?
この狂歌にはどんな意味があるんでしょうか?松平定信の政治を批判?
白河の 清きに魚も 住みかねてもとの濁りの 田沼恋しきの意味は?
「白河の 清きに魚も 住みかねてもとの濁りの 田沼恋しき」は
白河:白河藩主で寛政の改革をした松平定信の事
田沼:田沼意次の事
魚:庶民
をそれぞれ指しています。
江戸時代の老中、松平定信は、寛政の改革で幕府財政の立て直しや、農民の生活向上などの政策を実施するも、その内容には問題がありました。
例えば、米価の引き下げや、農民に対する課税などが行われたことで、農民たちから反発を受けました。
また、幕府財政の立て直しには成功しましたが、その代償として商人たちからの批判も受けました
「白河の 清きに魚も 住みかねてもとの濁りの 田沼恋しき」の意味は、定信は田沼意次失脚後に清廉な政治を目指すという名分のもとに寛政の改革を行ったが、時代に逆行したり厳しすぎる面があったので民衆には息苦しい部分もあった。田沼時代はわいろも横行したが幾分自由な雰囲気もありかえってそちらの方が住みよかった、という意味。
まとめ:白河の 清きに魚も 住みかねてもとの濁りの 田沼恋しきの作者は?
「白河の 清きに魚も 住みかねてもとの濁りの 田沼恋しき」の作者は誰かというと不明です。太田南畝(蜀山人)が作者という説もありますが真相はわかりません。
当時はおおっぴらに批判が出来るような時代ではありません。
江戸の町の落首でしょう。庶民の誰かは分からないと思います。
まとめ:白河の 清きに魚も 住みかねてもとの濁りの 田沼恋しきの意味・作者は?
【白河】…元白河藩主であった松平定信のこと
【清き】…定信はそれまでの田沼意次の利権的な政治を全面否定し、クリーンな政治を目指した
【魚】…白河(松平定信の政治)の中に生活している庶民のこと
【住みかねて】…クリーンすぎて息苦しい。倹約令などが厳しく、倫理道徳にうるさく、生活しづらい
【もとの濁りの田沼】…定信の前に老中首座だった田沼意次。田沼意次はそれまでの緊縮財政、農業一本槍の政策を修正して商業重視の政策をとり、景気刺激を行ったが、結果として様々な利権が発生して意次も不正蓄財をしたと言われる
【恋しき】…田沼意次自身が不正蓄財しても、自由で景気が良かった田沼時代のほうが今となっては懐かしい
以上から意味は:白河藩の殿様はクリーン政治を行っているけどやり過ぎで、却って住みにくくなった。ダーティーだといわれていても自由にやらせてくれてにぎやかな世だった田沼意次の時代の方がまだ良かった。
・・・という意味です。
そもそも落書の類なので、作者はわからないはずです。
作者がわかると、「幕府の政治を批判した罪」で処罰されますから。