四塩化一黄酸とは、2024年5月5日、JR京都駅で不審物として発見された衣類の入ったリュックサックに手書きで書かれていた文字。
「四塩化一黄酸」は実際には存在しない化合物ですが、「ししおかいちお」という方の名前を文字った琵琶湖を拠点とするヨットチームの名前のようです。
四塩化一黄酸wiki|実在の琵琶湖ヨットチーム(ししおかいちお)のリュック
四塩化一黄酸について、JR京都駅で不審物が発見され、その後に衣類が入ったリュックサックと判明した騒動で、リュックの外側に「四塩化一黄酸」と書かれていたことから、この物質について多くの注目が集まりました。
しかし、四塩化一黄酸という化学物質は実際には存在せず、この表記は、リュックの持ち主が書いた造語や、船の名前などである可能性が高いと考えられています。
この騒動は、多くの人々に迷惑をかけ、電車の運休や遅延などの影響が出ました。
もし、見慣れない化学物質のような名前を見かけた場合は、すぐに警察に通報することが大切です。
なお、「四塩化一黄酸」は「ししおかいちお」という方の名前を文字った琵琶湖を拠点とするヨットチームの名前のようです。
「四塩化一黄酸」の件は、不審な忘れ物がケミカルに勘違いされると無用なトラブルを引き起こすことがあるという教訓として覚えておいたほうが良いかもしれませんね。
四塩化一黄酸wiki|実在しない化合物
四塩化一黄酸を化学式にすると「CCl4O」となりますが、このような分子構造を持つ物質は合成することができません。
■理由
炭素と酸素は直接結合できない: 炭素と酸素は、共有結合を形成しにくい性質を持っています。これは、炭素の電子配置と酸素の電子配置が大きく異なるためです。
塩素と酸素は結合できるが、結合比が異なる: 一方、塩素と酸素は共有結合を形成することができます。しかし、塩素と酸素が結合する場合は、二酸化塩素 (ClO2) や四酸化塩素 (ClO4) など、塩素と酸素の結合比が異なる化合物になります
なお、四塩化炭素という化合物がありますが、四つの塩素原子と一つの炭素原子から構成されます。
化学式が「CCl4」で表される無機化合物で、通常は液体状態で存在し、無色・無臭であり、水にはほとんど溶けません。一般的に「カーボンテトラクロライド」とも呼ばれます。
四塩化炭素は、有機合成や工業プロセスでの溶媒や中間体として広く使用されます。また、かつては乾燥剤や消防剤としても用いられていましたが、その後の環境および健康への悪影響が明らかになったため、その使用は制限されています。
四塩化とは?
「四塩化」とは、化合物名において「四つの塩化物」という意味です。具体的には、ある元素と塩素が結合してできた化合物であり、その化学式に四つの塩素原子が含まれています。
たとえば、「四塩化炭素」(CCl4)や「四塩化ケイ素」(SiCl4)などが挙げられます。これらは四つの塩素原子と一つの炭素原子、または四つの塩素原子と一つのケイ素原子が結合している化合物です。
■四塩化チタン(TiCl4):無色透明の液体で、刺激臭があります。チタンの製造や有機合成などに使用されます。
■四塩化チタン
四塩化ケイ素(SiCl4):無色透明の液体で、刺激臭があります。シリコーンの製造や有機合成などに使用されます。
■四塩化ケイ素
四塩化ゲルマニウム(GeCl4):無色透明の液体で、刺激臭があります。ゲルマニウムの製造や有機合成などに使用されます。
■四塩化ゲルマニウム
四塩化スズ(SnCl4):無色透明の液体で、刺激臭があります。スズの製造や有機合成などに使用されます。
四塩化一黄酸wikiまとめ|実在の琵琶湖ヨットチーム(ししおかいちお)のリュック
四塩化一黄酸について、リュックサックに手書きされていたことで、不審物として警察に通報され、駅のホームが一時封鎖されました。
しかし、実際にはリュックの中身は衣類であり、危険性はなかったため、持ち主に遺失物として返還されました。
この騒動により、JR京都駅を通る列車の運行に一時的な影響が出ました。計80本が運休し、計97本に最大102分の遅れが生じ、約8万5000人に影響が出たと報告されています。しかし、後に持ち主が特定され、騒動の原因が誤解や単なる忘れ物であったことが明らかになりました。
四塩化一黄酸とは、実際には薬品名ではなく琵琶湖のヨットレースに出場していたチームの船の名前のようです。