「終止形」と「連体形」の違いについて。
終止形と連体形はどのように見分けると良いんでしょうか?
「終止形」と「連体形」の違い
「終止形」と「連体形」は、日本語の文法において言葉の形がどのように変わるかを示すものです。
どちらも日本語の活用語の形の一つです。活用語とは、意味や用法が変わる語のことで、動詞、形容詞、形容動詞、助動詞などがそれに当たります。
「終止形」と「連体形」の違いは、簡単に言うと、「文が終わるかどうか」です。終止形は文が終わるので、後に句点(。)がくる場合がほとんどです。一方、連体形は文が終わらないので、後に句点(。)はきません。
また、「終止形」は、後に助動詞や助詞が続く場合もあります。例えば、
明日は晴れるだろう。
今日は寒いから、外は出ない。
私は勉強するつもりです。
などの文は、すべて終止形ですが、後に助動詞「だろう」「から」「です」が続いています。
一方、「連体形」は、後に助動詞や助詞が続く場合もあります。例えば、
明日は晴れた日だ。
今日は寒い冬だ。
私は勉強したい人だ。
などの文は、すべて連体形ですが、後に助動詞「だ」「な」が続いています。
■ポイント
〇終止形
文が終わる
後に句点(。)がくる場合が多い
後に助動詞や助詞が続く場合もある
〇連体形
文が終わらない
後に句点(。)は来ない
後に助動詞や助詞が続く場合もある
また、口語では、動詞と形容詞の終止形と連体形が同じなので、見分けがつきにくくなります。しかし、形容動詞の場合は、終止形は「~だ」で、連体形は「~な」なので、見分けることができます。
終止形(しゅうしけい)
「終止形」は、文を言い切る形です。文が終わるときに使われる形です。文末に句点(。)が来ることがほとんどです。また、後に「そうだ」などの助動詞、「から/けれど/と」などの助詞が続く場合もあります。
例えば、「食べる」という動詞の終止形は「食べます。」のように文を完結させる形です。
連体形(れんたいけい)
「連体形」は、文字どおり後に体言(名詞)が続く形です。つまり、何かを説明する際に使います。文法的には、後に「ようだ」などの助動詞、「の/だけ」などの助詞が続く場合もあります。
例えば、「美しい」という形容詞の連体形は「美しい花」のように、名詞(花)の前に置かれて説明を加えます。
「終止形」と「連体形」の違い|見分け方は?後に続く言葉は?
・終止形 …「句点(。)・と・から」などに続く
・連体形 …「体言・の・のに・ので」などに続く
体言や省略された体言に接続していたら連体形。
連体形接続の助詞か助動詞に接続していたら連体形。
係助詞「ぞ、なむ、や、か」の結びになっていたら連体形。
係り結びでなくふつうに文を終止していたら終止形。
終止形接続の助詞か助動詞に接続していたら終止形。
終止形と連体形が区別できない場合、形容動詞に置き換える方法があります。
・[走る]のは → [静かな]のは… ⇒ 連体形
・[走る]と → [静かだ]と… ⇒ 終止形
・[走る]ので → [静かな]ので… ⇒ 連体形
形容動詞は「だろ/だっ・で・に/だ/な/なら/〇」とすべて活用形が違うので、接続について覚えていないときに使えます。
まとめ:「終止形」と「連体形」の違い
文法の中で、特に文語では多くの活用語で終止形と連体形が異なります。しかし、口語では動詞と形容詞の終止形と連体形が同じであり、見分けが難しいことがあります。ただし、形容動詞の場合は終止形が「~だ」で、連体形が「~な」です。
文法問題では、動詞・形容詞・助動詞の代わりに形容動詞を代入して、活用の種類を確かめることがあります。例えば、「風が吹くと、桶屋がもうかる。」の「吹く」に形容動詞「静かだ」を代入してみると、「風が静かだと、桶屋がもうかる。」となり、終止形であることが分かります。
ただし、「君は本を読むか。」の「読む」のように、終助詞「か」の場合は形容動詞を代入しても見分けが難しく、専門家でも終止形か連体形か確定できないことがあります。
文語文法の場合、
①動詞
●四段活用、上一段活用、下一段活用→終止形と連体形は同形。識別は下の動詞や形容詞、
形容動詞を代入して行います(口語と同じ)。
例 四段…書く、上一…着る、下一…蹴る(下一はこれ一語)
●その他の活用→終止形と連体形は別形。終止形は、最後がウ段の音。連体形は終止形+「る」
と覚えればいいでしょう。(ラ変活用だけは終止形は「り」、連体形は「る」です。)
例 ナ変…死ぬ・死ぬる(他に「いぬ=往ぬ」だけ)、上二…落つ・落つる、下二…受く・受くる
カ変…来(く)・来る、サ変…す・する
②形容詞
●ク活用…終止形は「~し」、連体形は「~き」と「~かる」
例 高し・高き(高かる)
●シク活用…終止形は「~し」、連体形は「~しき」と「~しかる」
例 美し・美しき(美しかる)
③形容動詞
●ナリ活用…終止形は「~なり」、連体形は「~なる」
例 静かなり・静かなる
●タリ活用…終止形は「~たり」、連体形は「~たる」
例 堂々たり・堂々たる
④助動詞…略。①~③をマスターしてから取り組んだ方がいいでしょう。