ナショナルトレセンとエリートプログラムの違いは?
ナショナルトレセンまで上り詰めれば代表ユニフォームを着れて遠征などに行けるのでしょうか?
ナショナルトレセンとエリートプログラムの違い
ナショナルトレセンとエリートプログラムの違いは、サッカーのエリート養成システムの段階や目標にあります。
ナショナルトレセンは、1986年から行われているトレセン制度の最高位です。全国の地域や都道府県から選抜されたU12(12歳以下)とU14&U16(14歳以下と16歳以下)の子供たちが参加します。これらのトレセンに参加している子供たちは、日本代表として大会や交流戦に参加するチームに選ばれることもあります。ナショナルトレセンは古くからあるシステムで、主にサッカーのスキル向上に特化しています。
一方、エリートプログラムは2003年から始まった新しい養成システムで、さらなるエリート選手の育成を目指しています。エリートプログラムにはいくつかの要素が含まれており、「各都道府県に任せているキッズエリートプログラム&キッズプログラム」「JFAアカデミーなどの中高一貫教育システム」「各年代のトレセン」「U13U14のエリートプログラム」などがあります。
特にU13U14のエリートプログラムは、ナショナルトレセンから選抜された20数人が参加し、1週間程度のキャンプを年に4回程度行います。このプログラムでは、サッカースキルの向上だけでなく、「集団生活」「ディベート(議論)」「論理的思考力・伝達力」などのオフザピッチ(ピッチ外)の能力も重視しています。これにより、単にサッカーの技術だけでなく、チームワークやコミュニケーション能力も向上させることが目標です。
ナショナルトレセンは昔からある伝統的なエリート養成システムですが、エリートプログラムは新しいアプローチで、将来の一流選手を育成するための取り組みとして注目されています。また、Jリーグ主導の育成システムである「JリーグU13・14」も存在し、各都道府県やJ下部から選抜した選手たちが海外遠征や大会に参加しています。
小学生のトレセンは、4年生から6年生までの学年別に行われます。ナショナルトレセンはU12(12歳以下)のカテゴリーで行われますが、エリートプログラムはU13U14(13歳以下と14歳以下)のカテゴリーで実施されています。県トレと地区トレの選考基準や人数には地域によって違いがあります。これらのトレセンやプログラムは、将来の一流選手の育成を目指して子供たちのサッカーのスキル向上と個人能力の向上に取り組んでいます。
JFAエリートプログラムとは?
JFAエリートプログラムは、将来の日本代表選手を育成するためのサッカーのプログラムです。2003年から始まり、主にU-13(13歳以下)とU-14(14歳以下)の選手を対象にしています。このプログラムは、日本代表として世界の舞台で活躍する選手を育成することを目指しています。
エリートプログラムでは、男子と女子それぞれに活動があります。男子はU-13とU-14の選手が年間4回のキャンプや海外遠征などに参加し、サッカースキルの向上を図っています。女子も同様にU-13とU-14の選手が年間3回のキャンプや海外遠征を行い、サッカースキルやオフザピッチ(サッカー以外の面)の能力を高める取り組みをしています。
男子はナショナルトレセンU-13/U-14と連携して活動しており、女子は地域や都道府県トレセンから選手を選考して育成しています。両方のプログラムでは、個々の選手の成長を重視し、ロジカルコミュニケーションスキルや食育などのカリキュラムも取り入れながらトレセンと同様に「個の育成」を目指しています。
重要な考え方として、長期的視野に立った選手育成を行っています。子どもたちの成長は一直線上には進まず、異なる要素が異なる速度で伸びるため、それぞれの年代で適切な指導と環境を提供しています。また、真の意味での「エリート」についても考えており、能力の高い者には特別な指導と環境を与えることで、リーダーシップや社会的義務を果たせる人材を育てることを目指しています。
さらに、世界基準での活動を重視しており、日本代表として世界のトップ10を目指すためには、国内のレベルだけでは満足せず、常に世界基準を意識しながら成長していくことを重要視しています。
エリートプログラムでは、「ボトムアップ」と「プルアップ」というアプローチを大切にしています。ボトムアップは全体のレベルを上げる教育であり、プルアップは特定の才能を持つ子供たちのレベルを引き上げることで全体のレベルを向上させる方法です。
まとめ:ナショナルトレセンとエリートプログラムの違い
ナショナルトレセンとエリートプログラムの違いは、次のとおりです。
- ナショナルトレセンは、1986年から行われているトレセン制度の最高位です。全国の地域→都道府県→U12では9地方のナショトレ・U14&U16は東西に分けたナショトレを行っています。
- エリートプログラムとは、2003年より始まった更にエリート養成システムの向上を目指したシステムで、「各都道府県に任せているキッズエリートプログラム&キッズプログラム」「JFAアカデミーなどの中高一貫教育システム」「各年代トレセン」「U13U14のエリートプログラム」などの総称です。
ナショナルトレセンは、サッカースキル向上に特化したエリート養成システムです。一方、エリートプログラムは、サッカースキル向上に加えて、集団生活や議論、論理的思考力・伝達力などのオフザピッチの能力も向上させ、ただのサッカーバカでなく本物の一流選手育成を目指した新エリートシステムです。