お酒を注ぐと星空が浮かび上がる酒器の「宙COCORO」が
ツイッターを中心に口コミで広まり、今や品切れで入手困難となっています。
宙COCOROは、焼き付け技法で蒔絵が施されたお猪口とタンブラーがあり、
一つ一つ全て手作り制作なので、この世で同じものは2つとないし代物です。
宙COCORO(宙心酒器)のお猪口・タンブラーって?
宙COCOROは、ステンレス製のお猪口とタンブラーに、
焼き付け技法で蒔絵が施されています。
宙COCOROは何も入れなくても本当にきれいな模様なんですが、
実際にお酒(液体)を入れてみるとなんと模様が浮かび上がったように見え、
まさに「星空が浮かび上がる」ような見た目になります。
宙COCOROはステンレスなので耐久性にも優れていて、
お猪口には
- 青(星空が広がる)
- 赤(華やかで豪華)
- 緑(渋くてカッコいい)
といった色の違いがあります。
タンブラーの色は青のみですが、
お酒を入れる前は青に紫や緑が入ってて綺麗だし、
お酒を入れるとお酒を注ぐと赤みがでてまた綺麗になります。
宙COCOROのお猪口の値段は1万円でタンブラーは2万円となっていて、
決して安くはないものの、それでも品切れ状態が続く爆発的な人気となっています。
宙COCOROの最大の特徴は、従来とは違う手法でお猪口とタンブラーに絵付けをしていること。
漆や純金の絵付けを1回で終わらせるのではなく、
蒔絵の焼き付け技法で「定着」工程を何度も繰り返さなければいけません。
1つを仕上げるのに途方もない時間と労力が必要になるものの、
その代わりに3次元に広がる美しさが生み出されます。
宙COCOROのお猪口は一般的なサイズよりも少し小さめで、
唇にお酒の温度が伝わるように体温がお酒に伝わりにくい構造となっています。
宙COCORO(宙心酒器)はどこで買える?通販で購入可能?amazon、メルカリは?
宙COCOROは以前は新潟伊勢丹2階の「NIIGATA越品ステージ」で展示販売されていたようですが、
期間限定の取り扱いだったようなので、現時点ではおそらく実店舗での販売はされていないと思われます。
宙COCOROを購入するにはホームページから通販するしかなさそうで、
繰り返しになりますが、宙COCOROは一つ一つ手作りで制作に時間がかかるうえに、
ネットメディアやテレビでもたびたび取り上げられるようになって、品切れ状態が続いています。
いまのところ、宙COCOROを制作している佐藤裕美さんはamazonには出店していないようだし、宙COCOROを代理店販売しているネットショップもないようです。
何が何でも手に入れたい!というのであれば、宙COCOROの通販サイトで予約ができないかを確認するか、
もしくはメルカリやヤフオクで転売品が出品されるのを待つしかなさそうです。
宙COCORO(宙心酒器)を制作した佐藤裕美さん(新潟の白根仏壇 伝統工芸士)とは?
佐藤裕美さんとは、3児の子供を抱える母親でもあり、
新潟で江戸後期から続く林佛壇店の6代目でもあります。
富山県の大手仏具メーカーの仏具に、宙COCOROでも使っている
焼き付け技法で蒔絵を担当しているほか、新潟のふるさと納税商品のタンブラーも手掛けています。
もともと、父親が塗りの伝統工芸士であり、
母親も蒔絵の伝統工芸士という恵まれた環境にあったため、
宙COCOROのような作品を生み出す土壌はすでにあったと言えそうですね。
二人の指導を受けて新潟・白根仏壇蒔絵部門の伝統工芸士資格を取得したのが2015年のこと。
宙COCOROでは、ステンレスの酒器に蒔絵で絵付けをしていきますが、
ステンレスだと焼き付けないと蒔絵が剥離してしまうため、
なんと15年もかかって焼き付け技法を習得しています。
宙COCOROは佐藤裕美さんがこらばしてきた作品の一つ、といった感じで、
これまでにアーティストの「FUNKIST」ともコラボをしていたり、
店舗の内・外・シャッター装飾、親子向けイベントにも協力をしています。
他にも蒔絵をあしらったネイルやブローチ、ヘアゴムなども制作したり、
イラスト作品も数多く制作しています。
宙COCORO(宙心酒器)制作のきっかけはトヨタの「LEXUS NEW TAKUMI PROJECT 2018」
宙COCOROが誕生するきっかけとなったのは、
小山薫堂さんがスーパーアドバイザーを務めている
トヨタの「LEXUS NEW TAKUMI PROJECT 2018」に選ばれたこと。
47都道府県で地域の独自性や伝統技術を生かした新しいモノづくりに挑む
「匠」を応援するというプロジェクトで、佐藤裕美さんが2018年に見事に新潟代表に選出。
「意と匠研究所」の下川一哉さんにアドバイスを受けながら、
あえて蒔絵の写実的な絵柄ではなく幾何学的模様にする方針を固め、
遊び心で作った宇宙をイメージした絵付けをしたところ下川さんの目に留まります。
「筆を使わず、抽象的な図柄をデザインにしてみてはどうか」
「伝統工芸の概念にとらわれるな。伝統工芸士としての殻を破れ」
とアドバイスを受け、蒔絵では本来であれば筆を使ってデザインをするのに、
筆以外の道具で試行錯誤をした結果、漆と金粉で何度も何度も蒔絵を繰り返すという
途方もない作業工程に行きつきます。