ステンレス製品に刻印されている
18-8
18-10
18-12
などの違いは?
18-0と18-8ではどちらが硬いんでしょうか?
18-10とステンレス18-8のスプーンはどちらが高価?
ステンレス18-8 18-10 18-12の違いは?
ステンレスとはステン「錆」がレス「無い」と言う意味の鉄とクロム、ニッケルの合金です。
テンレスは、耐食性に優れた合金である素材です。鉄を主成分とし、一定量以上のクロムを含んでいます。このクロムがステンレスの特徴的な性質をもたらします。
ステンレスの最も重要な特徴は、錆(さび)に対する抵抗力です。通常の鉄は、酸素や水と反応して鉄錆(さび)が生じますが、ステンレスはクロムの存在により、表面に薄い酸化被膜を形成します。この酸化被膜によって、内部の鉄が酸素や水と接触せず、錆びにくくなります。
また、ステンレスは強度も持っています。そのため、さまざまな用途で使用されます。例えば、キッチン用品、建築材料、自動車部品、航空機部品などがステンレス製品として一般的です。
さらに、ステンレスは衛生的な特性も持っています。表面が滑らかで、菌や汚れが付きにくく、清潔に保ちやすいため、食品加工や医療器具などにも広く使用されています。
ステンレス18-○で8や10という数字はニッケル含有量で(パーセンテージを指します)、18はクローム含有量です。
18-8だとクロム18%ニッケル8%となります。
常温でオーステナイトと言う組織で、磁石は付きませんが18-0(クロム18%)は18クロム鋼と呼ばれ磁石に付きます。
クロムは鉄の中にあると表面の部分で酸素を取り込んで強固な被膜を作ります。つまり溶け出しにくくなるため金属アレルギーの無い場合は無害と断言しても差し障りないと考えられています。
8はSUS304、.10はSUS304Lです。SUS304LはSUS304よりカーボン量を少なくし耐粒界腐食性を向上(高温・高圧環境下で腐食し難い)したものです。ニッケル含有量も多いので粘りや耐食性も若干向上しています。
合金元素としては、クロームよりニッケルの方が高価でニッケル含有量が多いほど高価な材料となります。
ステンレスとは、13%以上クロム(Cr)が入っている、鉄合金の総称です。
また、ニッケル(Ni)添加有無により、オーステナイト系(Ni有り)、フェライト系(Ni無し)に大別できます。磁石にくっつかないのは、Niを添加したオーステナイト系ステンレスです。(通称SUS304などと呼ばれる、300番台)
便利なステンレスですが、問題点は 価格が高い事、重い事(比重8.0~8.2で鉄より重い)、塩素がある環境では錆びる事などで、車には鉄(安いから)、海岸構造物にはチタン(錆びないから)、なべ・釜にはアルミ(軽いから)などが主に使われています。
ステンレスとは?
ステンレスは、鉄を主成分とし、クロム、ニッケル、モリブデンなどの元素を少量加えた合金です。クロムなどの元素が鉄の表面に薄い膜を形成し、酸素や水分などの腐食から鉄を守るため、錆びにくい性質を持っています。ステンレスは、鋼鉄よりも耐食性、強度、耐熱性に優れており、幅広い用途に使用されています。
ステンレスの用途は、食器、建材、自動車部品、医療器具など多岐にわたります。ステンレスの耐食性により、海水や塩水にさらされる環境でも使用でき、食器や建材によく使用されます。また、ステンレスは強度が高く、耐熱性もあるため、自動車部品や医療器具にも使用されています。
ステンレスは、環境にやさしい金属でもあります。ステンレスは100%リサイクル可能で、環境への負荷が小さい金属です。また、ステンレスは非磁性体であるため、磁石に反応しません。
ステンレスは、優れた耐食性、強度、耐熱性、リサイクル性、非磁性性などの特性を持つ、用途の広い金属です。ステンレスは、私たちの生活のさまざまな場面で使用されている重要な金属です。
まとめ:ステンレス18-8 18-10 18-12の違いは?
18-8、18-10、18-12 ステンレスなどは全てオーステナイト系ステンレス(磁石にくっつかない)で、それぞれ、重量比クロム、ニッケルをどれくらい含有しているかを示しています。
Niの含有量の違いによって耐腐食性や色調が違い、Niが多い方が黒っぽくなります。
色が黒っぽい方が高級に見えるため、高級食器などには18Cr-12Ni オーステナイト系ステンレスが使われます。耐腐食性はCr量に支配されるため、18-8と18-12に劇的な違いはありません。
また、熱膨張率が小さいため、高温部品・低音部品として一般に使われています。高性能エンジンのマニホールド集合管(排気管)はSUS304が使われている事が多いです。また、大型冷凍庫やLNGタンクの壁面もSUS304もしくはその仲間が使われています。
磁性についてはcr(クローム)の含有量がある一定以上(13%くらい?)を超えると錆びにくくなりますが、あくまで錆びにくいだけで環境下によっては錆びます(海水など)。SUS304をさらに耐食性アップした鋼種がSUS316です。一般的にSUS304.SUS316といったオーステナイト系ステンレス鋼(300番台・非磁性)とSUS403.420J2といったマルテンサイト系ステンレス鋼(400番台・有磁性)があります、磁性についても冷間加工(切削・曲げ・引抜き加工など)により、オーステナイト系ステンレス鋼でも有磁性になる事が有ります。
ステンレスには3種類あり、目的の用途で使い分けられています。スプーンやフォーク、鍋やヤカンはフェライト系ステンレスという種類です。これは13パーセント以上のクロムが入っています。文化包丁はマルテンサイト系ステンレスが使われています。これは炭素含有量が多いものです。この二つは磁石に鉄と同じようにくっつくものです。台所の流し台「シンク」はオーステナイト系と言う18%以上のクロムと8%以上のニッケルが入っていて、前の二つよりも耐食性が優れていて値段も高いです。これらの鋼は表面に不動態膜と言う強い皮膜が形成されて、溶けません。クロムもニッケルも通常は溶けても人体に影響はありません。合金ですから100%ステンレスです。ただ西洋人に多いニッケルアレルギーの人にはニッケルの装身具と同じくオーステナイト系のステンレスの装身具は使えない場合があります。蛇足ですがステンレスも塩素イオンに弱いので、塩水に2週間以上さらされると錆びてきますよ。