スタインウェイ479とスタインウェイ300が2021年のショパンコンクール公式ピアノとして採用されていました。
スタインウェイ479とスタインウェイ300の違いは?
スタインウェイ479と300の違いは?ショパンコンクール公式ピアノ
スタインウェイ479とスタインウェイ300は共にハンブルグ製のフルコンサートグランドD-274です。
他にもショパンコンクール公式ピアノには、
ヤマハ CFX
カワイ Shigeru Kawai-EX
ファツィオリ F278
というモデルがそれぞれ採用されていました。
今回は予選参加者87名のうち、スタインウェイ479を43名、300を21名、ヤマハは9名、カワイは6名、ファツィオリは8名選んだようです。
スタインウェイ479とスタインウェイ300の違いはと言うと、まずスタインウェイでは製造番号の下3桁で2台を区別しています。
つまり2台の製造番号は6xx300と6xx479です。ちなみにスタインウェイの製造番号は、金色の鋳物フレームの手前側左の二等辺三角形の部分(ピアニストがハンカチ置いたりするところ)に刻印されています。
D
6xx479
というように。DはピアノのサイズでDはフルコン(製造番号以外のDの文字、鉄骨にあるすべての文字は職人の手書きなのがスタインウェイのこだわり)
音の特徴としては、300は落ち着いた音色、479は絢爛豪華。
479はスタインウェイの高音のキラキラした音、そして低音の豊かな響きはほかのメーカを寄せ付けないすばらしい音です。
3次予選だとJakub Kuszlikはスタインウェイ479を選んでいました。
幻想曲 ヘ短調 Op.49
4つのマズルカ Op.30(ハ短調/ロ短調/変ニ長調/嬰ハ短調)
ソナタ第3番 ロ短調 Op.58
ちなみに、2021年のショパンコンクール本選の出場者及び使用ピアノはそれぞれ次のようになっています。
Kamil Pacholec カミル・パホレツ(ポーランド/22歳/スタインウェイ479)
ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11
Hao Rao ハオ・ラオ(中国/17歳/スタインウェイ479)
ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11
反田恭平(日本/27歳/スタインウェイ479)
ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11
Leonora Armellini レオノーラ・アルメリーニ(イタリア/29歳/ファツィオリ)
ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11
J J Jun Li Bui ジェイ・ジェイ・ジュン・リ・ブイ(カナダ/17歳/カワイ)
ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11
Alexander Gadjiev アレクサンダー・ガジェヴ(イタリア・スロヴェニア/26歳/カワイ)
ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21
Martin Garcia Garcia マルティン・ガルシア・ガルシア(スペイン/24歳/ファツィオリ)
ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21
Eva Gevorgyan エヴァ・ゲヴォルギヤン(ロシア・アルメニア/17歳/スタインウェイ479)
ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11
小林愛実(日本/26歳/スタインウェイ479)
ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11
Jakub Kuszlik ヤクブ・クシュリック(ポーランド/24歳/スタインウェイ479/)
ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11
Hyuk Lee イ・ヒョク(韓国/21歳/カワイ)
ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21
Bruce(Xiaoyu) Liu ブルース・リウ(カナダ/24歳/ファツィオリ)
ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11
演奏曲はほとんどのピアニストがピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11を選んでいるのに対して、下記の2名だけがピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.21でした。
Martin Garcia Garcia
Alexander Gadjiev
想像ですが、300はホールが少し前に購入したハウスピアノ。479はスタインウェイ社がハンブルク工場で今回のショパンコンクール用に厳選し手を入れて持ち込んだピカピカの新品ピアノだと思います。スタインウェイだけ2台許されたのは、第1回大会からの公式ピアノであり、今までの貢献と実績があってのことでしょう。