水泳のオリンピック代表選考について。
派遣標準記録を誰も突破できない場合、どうなる?
日本の水泳競技は国内で独自のオリンピック派遣標準記録を設定していますが、派遣標準記録に届かなくても大会で1位の場合はどうなるのでしょうか?
水泳オリンピック代表選考|派遣標準記録を突破できないと場合はどうなる?
水泳のオリンピック代表選考について、派遣標準記録を誰も突破できない場合、どうなるかについて。
まず、水泳のオリンピック代表選考では、原則として派遣標準記録を突破し、かつ競技会で2位以内に入った選手がオリンピック出場権を得ることができます。しかし、派遣標準記録を誰も突破できない場合、その競技の代表選考はどう進むのでしょうか。
まず、派遣されてしまえば、枠の空いている種目に出場することができます。つまり、他の競技で派遣されている選手がその種目を泳げる場合は、その選手が代表として出場することになります。
しかし、代表選考の大会で派遣標準記録を突破せず、2位以内にも入れなかった場合、その競技の代表は出場できません。
決勝以外でタイムを更新していても、オリンピックの内定は得られません。つまり、代表選考の大会での成績が重要であり、決勝での成績がオリンピック出場権を決定する要素となります。
ただし、派遣標準記録を突破していなくても、日本水泳連盟が参加を許可することもあります。過去には、派遣標準記録を突破していない選手でも特別な理由で参加が許可された例があります。
また、瀬戸大也のように、代表選考会で2位に入ったにも関わらず、特定の種目での出場を切望している選手もいます。その場合、五輪での活躍が期待される場合には、派遣される可能性があります。つまり、単純に競技会の結果だけでなく、選手の実力や将来性なども考慮されることがあります。
水泳オリンピック代表選考|派遣標準記録の理由・意味は?
水泳のオリンピック代表選考において、派遣標準記録は重要な役割を果たしています。
■1. 派遣標準記録の理由
過去、オリンピックに出場できる選手枠が一杯だったにもかかわらず、予選落ちが続出したことがありました。
そこで、国内選考会で一定以上のタイムをクリアした選手のみを派遣することで、オリンピックでのメダル獲得を目指しました。
派遣標準記録は、以下の目的で設定されています。
オリンピックでメダル獲得の可能性が高い選手を選考するため
選手のモチベーションを高め、レベルアップを促進するため
オリンピック出場選手の選考基準を明確にするため
■2. 派遣標準記録の効果
派遣標準記録が導入された当初は、効果が見られました。
オリンピックにおける日本選手の成績が向上しました。
選手のモチベーションが高まり、世界トップレベルのタイムを競うようになりました。
■3. 近年の課題
しかし、近年では派遣標準記録の問題点が指摘されています。
世界の競泳レベルが向上し、派遣標準記録を突破してもオリンピックでメダル獲得が難しい状況になっています。
若手選手が派遣標準記録を突破することが難しく、国際大会で経験を積む機会が限られています。
派遣標準記録に固執することにより、選手がリスクを冒した挑戦を避ける傾向があります。
水泳オリンピック代表選考|派遣標準記録まとめ
水泳のオリンピック代表選考では、原則として派遣標準記録を突破し、かつ2位以内に入賞した選手のみがオリンピック出場権を獲得できます。
しかし、派遣標準記録を突破する選手がいない場合、以下のケースが考えられます。
■1. 記録突破者不在の場合
過去には、派遣標準記録を突破する選手がいない種目も存在しました。
その場合、日本水泳連盟は、以下の点を考慮して、オリンピック出場選手を決定します。
国際大会での実績
近年の世界ランキング
代表選考会での順位
選手の成長性
具体的には、以下の選手が選考される可能性があります。
国際大会で好成績を収めている選手
近年の世界ランキング上位の選手
代表選考会で上位に入賞している選手
将来性があり、オリンピックで活躍が期待できる選手
■2. 記録突破者が1人以下の場合
派遣標準記録を突破した選手が1人以下の場合、その選手は自動的にオリンピック出場権を獲得します。
残りの出場枠については、上記の「1. 記録突破者不在の場合」と同様に、日本水泳連盟が選考を行います。
■3. 記録突破者が複数いる場合
派遣標準記録を突破した選手が複数いる場合、2位以内に入賞した選手がオリンピック出場権を獲得します。
2位以内に入賞できなかった選手であっても、日本水連が選考基準を満たしていると判断した場合、オリンピック出場権を獲得できる可能性があります。