「ハリーポッター 謎のプリンス」ではダンブルドアがスネイプに殺されるという衝撃的な結末を迎えます。
スネイプは果たして敵のデスイーターなんでしょうか?それとも味方でハリーを守っていたんでしょうか?
スネイプは味方で敵スパイ?デスイーター?
結論から言うと、スネイプは敵(デスイーター)ではありません。
最初は確かにヴォルデモードの仲間でデスイーターでしたが、結果的に自分の過ちのせいで愛するリリー(ハリーの母)がヴォルデモートに殺されることになり、後悔してダンブルドアに寝返ります(命がけで)。
自分がダンブルドアの味方なことを隠して以降はスパイとしてヴォルデモートの支配下
スネイプはスパイとしてハリーを守り抜き、ダンブルドアとの約束でダンブルドアを殺した後、ヴォルデモートに殺されます。
このときやっとハリーはスネイプが味方だということに気付きます。
ハリーは自分を守ってくれたダンブルドア、母を愛し抜いてくれたスネイプに敬意を抱き、自分の子供に「ダンブルドア」「スネイプ」という名前を付けます。
「ハリーポッター 謎のプリンス」ダンブルドアが死ぬ時
「スネイプ…」とスネイプを見ながらつぶやきましたよね。
死喰い人たち、ハリーも皆「ダンブルドアが命乞いをしている」と思いました。
しかし実はダンブルドアは
「スネイプ…(助けてくれ)」じゃなく「スネイプ…(殺してくれ)」という意味で言っていたのです。
ダンブルドアの杖はとても強力でした。そして、杖には「杖を持つ権利」というものが必要です。
「権利」は杖を持っている人から奪うことで次の人に移ります。
もしダンブルドアが他の死喰い人に殺されたらその杖の権利はヴォルデモードの配下に渡ってしまいます。
しかし、ダンブルドアは死ぬ前にスネイプと「私を殺してくれ」と約束をしています。
つまり、ダンブルドアは殺されたのではなくスネイプを使って自殺をした、つまり杖はダンブルドアが権利を持ったままなんです。
しかし…スネイプがダンブルドアを殺す前にドラコ・マルフォイがダンブルドアの杖を「武装解除」で奪っているのです。
つまり、マルフォイが杖の権利を持っていたのでダンブルドアの思惑は結局上手くいきませんでした。
その後ハリーがマルフォイと戦い勝つので権利はハリーに渡ります。そこで一件落着、でした。
スネイプは味方で嫌いなハリーとの関係は守ってた?
スネイプは、基本的にハリーの事が嫌いです。
ハリーは性格も見た目もスネイプがイジメられていた父・ジェームズに瓜二つであり、ジェームズを殊更嫌うスネイプにとっては目の上の瘤以上の存在だったでしょう。
ただ、そのジェームズへの憎しみ故にハリーの本質を見れていない部分もあります。
そのため感情的になると「傲慢」「思い上がり」という言葉が出てきてしまい、実はそれを一度ダンブルドアに窘められています(原作第七巻後半)。
スネイプが最後を向かえるとき「僕を見てくれ」と頼んだのは、ハリーの眼がリリーの眼だからです。
ハリーはジェームズの生き写しですが、目だけは母・リリーそっくりなんです。
あの時、死にゆくスネイプはハリーの眼を通して、愛おしいリリーを見ていたんです。
だからこそ、普段の「わがはい」といった一人称ではなく「僕」という幼い時の一人称が出てきたんです。
基本的にはスネイプはハリーを毛嫌いしているものの、ハリーは愛するリリーの息子でもあります。
スネイプの中には煮えくり返るような嫌悪感と同時に、愛するリリーの血と目を受け継いだ子への愛情もあったのです。
その複雑な感情が、スネイプのハリーへの態度のブレの原因です。
スネイプが剣を態々湖の底に沈めたのは、ダンブルドアの遺言に従ったからです。
スネイプはダンブルドアの命で剣がハリー達の手に渡るようにしましたが、その際に「困難を乗り越えてこそ、剣が手に入るようにしてほしい」と告げていました。
それはグリフィンドールの剣が「真のグリフィンドール生(真に勇気を持つ者)」にのみ扱える剣であり、そうでなければ剣を自分のものにはできないからです。
スネイプがハリーを守り続けたのは、一つはダンブルドアとの誓いのため。
スネイプはヴォルがリリーとハリーを纏めて殺そうとしている事を知った時、全てを投げ捨ててダンブルドアにリリーを守ってくれと懇願しました。
そしてダンブルドアがスネイプを信用する代わりに、スネイプはダンブルドアに絶対の忠誠を誓いました。
そしてダンブルドアは「秘密の守り人」を用いてポッター家を守ったのですが、知ってのとおりワームテールことピーター・ペティグリューの裏切りによって守りは破られ、ポッター家はハリーを残して全滅しました。
最愛の人リリーの死に絶望するスネイプに、ダンブルドアは「ヴォルデモートはまだ生きており、いつかハリーは危険にさらされる」と告げ、ハリーを守るよう命じます。
そしてスネイプは「自分の過去と自分が彼を守っている事を秘密にする」事を条件に、その命令を承諾します。
スネイプにとって、自分がリリーを愛していたこと、そしてハリーを守っていることを、憎いジェームズの息子に知られる事は耐えられない事だったからです。
スネイプはその生い立ちから親の愛に飢え、友達もいませんでしたが、唯一自分に優しく、まっすぐ接してくれたリリーは唯一無二の光であり、掛け替えのない最愛の人でした。
スネイプの中に常にあったのは、リリーへの変わらぬ永遠の愛。
年を重ねても、リリーに絶縁されても、リリーが結婚しても、死食い人に落ちても、リリーが死してもなお、スネイプはリリーを愛し続けていたんです。
スネイプがダンブルドアに忠誠を誓い危険な任務を担ったのも、憎い男に瓜二つのハリーを命がけで守り続けたのも、ハリーの母リリーへの深い愛があったからこそです。
その愛を信じたからこそ、ダンブルドアは誰よりもスネイプを信用したのです。
スネイプはハリーを憎み嫌いながらもリリーの子として愛情を持ち、リリーへの永遠の愛ゆえにハリーを守り続けたのです。