映画「すずめの戸締り」のストーリーについて考察。
映画「すずめの戸締り」は、震災後の日常とファンタジーの境界を描いた作品であり、複数のテーマが盛り込まれていますが、ストーリーにはどんな意味が込められているんでしょうか?
すずめの戸締り(映画)ストーリー考察
物語は、2011年3月11日に発生した東日本大震災を背景としています。主人公のすずめは、震災で母親を亡くし、叔母に育てられています。
ある日、すずめは廃墟となった遊園地で、後ろ戸と呼ばれる不思議な扉を発見します。その扉を開けたら、災いの元となる“ミミズ”が現れます。
すずめは、閉じ師と呼ばれる青年・草太と出会い、ミミズを封じるために旅に出ます。旅の中で、すずめは様々な人と出会い、成長していきます。
「すずめの戸締り」は、震災の傷跡と向き合う物語です。すずめは、震災で失った母親との思い出と、未来への希望の間で葛藤します。
しかし、旅を通して、すずめは大切な人を失った悲しみを受け止め、未来へ進んでいくことを決意します。
すずめの戸締り(映画)ストーリー考察|意味不明?意味が分からない?
映画「すずめの戸締り」のストーリーについて、意味不明・意味が分からないといった感想も多くみられますが、
映画「すずめの戸締り」のストーリーについて、より深く理解するために、以下の点について考察していきます。
- 要石になった者は常世に行ってしまうのか?
- 幼少期のすずめが常世に行ったのはなぜ?
- ダイジンとは元々何だったのか?
- なぜダイジンは再度要石になることを拒んだのか?
- すずめと母には昔何があったのか?
- 映画終盤のすずめの「私いかなきゃ、やっとわかったの」この言葉の意味は?
- 元々草太を助けるために行ったのに過去の自分の話につながったのはなぜ?
要石になった者は常世に行ってしまうのか?
要石になった者が常世に行くかどうかは、状況によって異なります。
■東京上空で要石となった草太の場合
ミミズに刺された後、常世に移動し、ミミズを抑えています。これは、要石が刺さるとミミズが棲み処である常世に追い返されるためです。
■ダイジンの場合
要石の役割を終えた後、常世に帰らず、現世で自由に行動しています。これは、ダイジンがミミズに刺されておらず、自身の意志で常世を離れたためと考えられます。
■一般的に
要石の役割を終えた後は、常世に帰ると考えられます。これは、要石は常世と現世を繋ぎ、ミミズを封じる役割を担っているためです。
幼少期のすずめが常世に行ったのはなぜ?
幼少期のすずめが常世に行った理由は、以下の2つの理由が考えられます。
■子供の死に対する古くからの考え方
医療技術が未発達だった昔は、子供が7歳までに病死したり、行方不明になることが珍しくありませんでした。そのような子供は神様のもとへ行ったと考えられ、神隠しという言葉も生まれました。
■7歳までは神のうち
7歳までは、魂が不安定で、神様と繋がっていると信じられていました。そのため、幼い子供は常世と現世を行き来することができたと考えられます。
ダイジンとは元々何だったのか?
ダイジンが元々何だったのかは、映画では明確に示されていません。
■元々は人間だった?
小説版にも書かれていないため、推測になりますが、ダイジンは元々は人間だった可能性があります。その場合、要石の役目を先代から譲渡された、あるいは押し付けられたと考えられます。
■閉じ師の可能性
ダイジンが要石の修繕などを行うことから、閉じ師だった可能性も考えられます。
■一般人の可能性
偶然要石と遭遇してしまった一般人だった可能性もあります。
なぜダイジンは再度要石になることを拒んだのか?
ダイジンが再度要石になることを拒んだ理由は、以下の2つが考えられます。
■すずめとの生活を望んだ
すずめから「ウチの子になる?」と誘われたダイジンは、要石の役割よりも、すずめと遊ぶことを優先しました。
■草太を排除したかった
ダイジンは、要石の役割を草太に押し付けることで、邪魔な草太を排除し、すずめを独占しようとした可能性があります。
すずめと母には昔何があったのか?
すずめと母には、以下の出来事がありました。
12年前の東日本大震災で、すずめの母は亡くなりました。
幼いすずめは、母親と離れ離れになり、生き残りました。その後、叔母に引き取られました。
映画終盤のすずめの「私いかなきゃ、やっとわかったの」この言葉の意味は?
常世で過去の自分と出会ったすずめは、以下のことに気づきました。
■常世は全ての時間が存在する場所
常世は過去、現在、未来が同時存在する場所です。
すずめの戸締り(映画)ストーリー考察まとめ|意味不明?意味が分からない?
「すずめの戸締り」は、以下のテーマを扱っています。
震災の記憶
喪失と再生
成長
希望
映画の舞台は、震災後の現代の日本。主人公のすずめは、過去の震災で母親を亡くし、自らも心の傷を負っています。ある日、すずめは自宅の裏庭に奇妙な門を見つけます。その門をくぐることで、すずめは常世と呼ばれる神秘的な世界へと足を踏み入れます。
常世では、すずめは草太という少年と出会います。草太は要石という特別な役割を果たしており、常世の安定を守るために封印されている力を持っています。すずめは草太を助けることを決意し、共に冒険をするうちに、自らの過去や内面と向き合うことになります。
物語は、すずめが常世と現実世界を行き来しながら、自らの運命と向き合い、成長していく様子を描いています。彼女は常世の謎や草太との関係性を解明し、最終的には自らの過去と向き合い、新たな一歩を踏み出します。