大自然と野生動物との営みをカメラに収める
ネイチャーカメラマン(ネイチャーフォトグラファー)という職業がありますが、
竹本宗一郎さんは「ナイトネイチャーカメラマン」を生業としているカメラマン。
竹本宗一郎さんが撮影するのは同じ自然ではあるけれど、
天体撮影が舞台で、タイムラプス動画も数多く手掛けています。
竹本宗一郎wiki経歴
- 生年月日:1968年
- 出身地:東京
- 職業:映像作家(天文、宇宙、自然科学などの特殊撮影)
- 会社:ZERO CORPORATION代表
- 出身大学:大阪芸術大学芸術学部映像専攻(最終学歴)
竹本宗一郎さんは大学卒業後、かつては天体望遠鏡も製造していた
プラネタリウムメーカーの最大手「五藤光学研究所」に入社。
その後、1997年独立して映像制作会社のZERO CORPORATIONを設立し、
- テレビ番組の企画制作
- 天文コンサルティング
- プラネタリウム番組制作
- 天体撮影機器の企画・販売
といった仕事をこなしています。
「天文コンサルティング」というのが少し謎ですが、
おそらくは全国の科学館などで天体に関する講演活動も含まれるんじゃないでしょうか。
NHKの宇宙科学番組の特殊撮影やCMや映画ように世界各地の夜の絶景の映像撮影を手がけるほか、
各メーカーの先端技術開発におけるスーパーバイザーとしても活躍中
竹本宗一郎さんが代表を務めるZERO CORPORATIONは
日本で唯一、闇に特化した映像制作会社で所在地は、
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1丁目35番14号ユニアス七井403
竹本宗一郎の本(書籍)は?
竹本宗一郎さんは、月刊誌『天文ガイド』の筆者でもあり、
月刊天文ガイド「ASTRONOMY VIDEO」でも連載記事を掲載しています。
竹本宗一郎が著作者となっている本(書籍)は探してみるとたくさんあって、
- タイムラプス動画 撮影テクニック: 星の光跡を表現、天の川の動きを撮る
- 天体ビデオ撮影マニュアル
- 天体ビデオ撮影入門
- コンパクトデジタルカメラで野鳥を撮ろう!
- 月刊ビデオSALON
- GH5ムービー完全攻略ガイドブック
といったものがありました。
竹本宗一郎のカメラ撮影機材やタイムラプス撮影方法・カメラ設定
竹本宗一郎さんは、微弱光下での特殊機材による撮影に精通していて、
月の光に比べるとうんと弱い星の光を高感度カメラで最大限に増感させてキャッチ。
腕を伸ばすと手が見えなくなるほど漆黒のジャングルの闇も、
竹本宗一郎さんの手にかかればまるで真昼間に撮影したように明るくなります。
竹本宗一郎さんはカメラの性能を生かしきると同時に、
タイムラプスという技法を使うことで「夜の芸術」に昇華させられる数少ないカメラマンです。
撮影に当たっては、闇に同化するため普段から黒の服しか着ないという徹底ぶりで、
これまでに、
- 氷河の上を刻々と変化する流星群
- ハワイ島のマグマと天の川の共演
- 南米の離島の大量の発光微生物
といったシーンの芸術的な撮影に成功しています。
竹本宗一郎のカメラ撮影機材
タイムラプス撮影方法・カメラ設定
竹本宗一郎さんが天体撮影に関して講演をした際の文字お越しを読むと、
- ソニーの「α7S II」
- パナソニックの「LUMIX GH5S」
の二つを高感度に強いカメラとして紹介していました。
パナソニックのフルサイズカメラ「LUMIX S1」も超高感度の撮影に向いたカメラとしてオススメをしていて、
やはり、マイクロフォーサーズで高感度撮影するとなるとランダムノイズが目立ちやすくなるので、
フルサイズカメラの方が良いんですね。
竹本宗一郎さんもISO感度を高くしたりF値の小さい(2.0以下)明るいレンズを使えば、
マイクロフォーサーズでも天体観測はできなくもないと語っています。
実際に竹本宗一郎さんが4Kフォーマット用のナイトタイムラプス撮影をする場合、
本来であればISOを6400で撮影したいところをISO1600に抑え、その代わりに、
「F2.8」よりも2段明るい「F1.4」のレンズを選ぶようにしているそうです。
レンズはというと、
- ニコンの「AF-S NIKKOR 14-24mm f2.8G ED」
- タムロンのズームレンズ「SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD」
- シグマの「14mm F1.8 DG HSM Art」
の3つのレンズをおすすめしています。
ニコンの「AF-S NIKKOR 14-24mm f2.8G ED」は
レンズ収差がよく抑えられ、撮影画像の隅の方まで星が点像に写すことができます。
(星の形が歪まない)
シグマの「14mm F1.8 DG HSM Art」は開放F値が1.8の明るい広角レンズで、
ニコンよりも一絞り以上も明るさを確保できるのでその分、シャッタースピードを短くできます。
シャッタースピードを短くできると、ちょっとしたブレの影響もなくせるので、
天体観測には非常に向いていますね。
マイクロフォーサーズのカメラを使う場合のレンズは、
(35mm版換算で14-28mmのオリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO」
をおすすめしています。
レンズに関しては明るい超広角レンズを使うように話をされていて、
カメラ側でISO(ゲイン)を上げるよりも、少しでも開放値の明るい(F値の小さい)レンズを使って光量を稼ぐほうが、
ノイズによる画質劣化を防ぐことができるそうです。
ISO値を高くすることで光に対する写真の感度が上あがり、
カメラによってはISO値が51,200以上という非常に高い種類もあるものの、
ISO値を高くするとでどうしてもノイズが気になるようになります。
そこで、F2よりも明るいレンズを選ぶことで、ISO値をあまり高めなくても、
明るい写真を撮影できるようになります。
例えばF2からF1.4になると1段分明るくなるので、
カメラ側のISO設定感度をSO102400からISO51200といった感じで、
1段分下げて撮影できるようになります。
ナイトタイムラプス撮影方法・設定
タイムラプス(Time lapse)とは低速度撮影とも呼ばれますが、
時間が経過する様子を早回しで見るような感覚になるように、
一定の間隔を空けて同じ場所で撮影した静止画をつなぎ合わせた動画のことです。
撮影方法(カメラの設定)は15mm前後の超広角レンズを使い、
光源がない真っ暗な夜空で天の川を撮影することを前提として、
- ISO6400
- F2.8
- シャッタースピード20秒
という設定を推奨しています。
星が間延びしたり歪んだりすることなく、端っこまでを点像として
天の川をとらえることができる基本データ。
※カメラ撮影で星の形が歪んでしまうのは、
「コマ収差」や「サジタルコマフレア」という問題が発生するからです。
超高感度撮影ではレンズの絞りを開放にして(F値を小さくして)
星や蛍のような「点光源」を撮影しなければいけないものの、その際、
点光源が放射状に細長く尾を引いてしまう現象が「コマ収差」
同心円状に伸びてしまう現象が「サジタルコマフレア」です。
竹本宗一郎さんはおそらく、相当の試行錯誤の末にたどり着いた設定だと思いますが、
惜しげもなく披露する姿勢には感服しますね。
1秒間のナイトタイムラプス動画に必要となる撮影枚数は、
ビデオのフォーマットによって変わり、
- 30pだと1分で1,800枚(10秒で300枚)※これまでのHDの主流
- 60pだと1分で3,600枚(10秒で600枚)※4K映像のフォーマット
- 120pだと1分で7,200枚(10秒で1200枚)※8K映像のフォーマット
となります。