たまねぎは人間以外の動物には毒とされる食べ物。
人間以外の動物で、ネギ・タマネギを食べても平気な動物はいるんでしょうか?猫も大丈夫ではない?
玉ねぎは人間以外になぜ毒?
たまねぎは人間以外の動物には毒とされる食べ物ですが、少なくとも、多くのサル、ゴキブリ、ネズミなどは大丈夫です(これらに属する種でも食べられない種はある)。
これらはみな広食性の雑食動物です。
端的に言うと、いろんなものを食べる生き物はいろんな毒に対する解毒能力を持っているようです。
人を含めたサルの仲間はいろいろなものを食べる代表。
いわば人間はサルだから多種多様な食物を取らないとダメ。
狭食性の動物と広食性の動物の差はその食べ物にふくまれる栄養素の利用性や毒の解毒能力に依っている。
例えば、植物にはいろいろな毒がはいっているが、モンシロチョウはキャベツに入っている毒は効率良く解毒できておなかいっぱい食べても問題ない。しかし、レタスの毒もタマネギの毒もほとんど処理できない。だからレタスやタマネギを食べると死んでしまう。
人間はキャベツの毒もレタスの毒もタマネギの毒もほどほどに処理できる。だから全部食べることができる。しかしキャベツだけ、レタスだけ、タマネギだけ、で腹一杯にすれば解毒しきれなくてその毒に当たる。嘘だと思うならやってみたらいい。火を通して食べれば死にはしないが結構苦しむ。生で腹一杯食べれば(食べられれば、だがw)昇天できる可能性がある。
栄養の問題もそう。モンシロチョウはキャベツばっかり食べるのでそれに豊富に含まれるビタミン類の多くもステロールも合成できない。
哺乳類どうしを比べても、ほとんど肉しか食べないライオンやネコはカリウムやナトリウムの処理能力が低いし、セルロースはほとんど利用できない。もちろん植物毒にも弱い(タマネギ一切れで死にかねないのは有名)が、肉には少ないビタミンCの合成能力は優れている。
牛に比べれば人間はセルロースの消化能力は低いし、アミノ酸の無機窒素からの合成能力もない。しかし牛は肉はほとんど食べられない(たくさん食べれば反芻胃の異常発酵で死ぬ)。
ようするに人間はいろんな食べ物を食べる能力を持っているが、個々の能力はさして高くないため、いろんなものを少しずつ食べないとダメな体になっている。
ちなみに、玉ねぎの刺激成分は「硫化アリル」といいますが、実はこの硫化アリルが健康に素晴らしい働きをします。
血液の凝固を防ぎ血栓を予防します。動脈硬化や脳卒中の予防にもなります。
また、血糖値や血中コレステロール、血圧を下げる作用もあります。
ただ、玉ねぎを生で食べる時には辛味を和らげるため水さらしますので
この時硫化アリルは溶け出してしまっています。(勿体ない気がしますね)
これ程身体に良い作用をする玉葱やニンニクの「硫化アリル」ですが(どんな食品にも言えることですが)
異常に大量に食べるのは何でも良くありません。
ただ、人間に副作用が現れる程の量とは、一体どれ位の量か?相当な量だと思います。
犬や猫などは人間に比べて小さいですから気をつける必要はあるでしょうね
まとめ:玉ねぎは人間以外になぜ毒?猫は大丈夫だったら?
タマネギはサルとか人間は食べることができるのに、猫や犬、ハムスターは食べることができないのかというと玉葱中毒があるからです。
ネギ類に含まれているアリルプロピルジスルファイドが、溶血(赤血球の破壊)やそれに伴う貧血をおこす。
症状
貧血や黄疸のほか、多量接種による急性中毒の場合には、1~2日後に赤や赤褐色の尿が出て、さらに下痢や嘔吐、心臓の鼓動が早くなる、目の結膜が白っぽくなるなどの症状がでる。
治療方法
重症の場合は、輸血が必要です。家庭で食べてしまった時には、すぐに吐かせるようにする。
なぜ人間は中毒にならないかというと血中に抗体物質があるためである。進化の過程で適応した結果でしょう。
犬や猫がネギ科(ユリ科)の植物が食べられないのは、祖先がそんなものを食べなくても生きていける肉食動物だったからです。雑食の人間はずっと前の祖先から食べていた。だから今も食べられる。
人間以外で食べる動物はチンパンジー、オランウータン、ゴリラです。
冬とかになるとチンパンジー、オランウータン、ゴリラにはネギを与える動物園あります。
「飼っている猫がたまねぎを食べてしまった場合、大丈夫そうに見えてもまずは様子をよくみて何か普段と違うことはないか気を付けましょう・
呼吸が荒い、赤い尿がでる、嘔吐しているなどの症状がある場合はすぐにかかりつけのお医者さんにかかってください。
参考:玉ねぎは人間以外になぜ毒?
ここでは、玉ねぎ・ニンニクは安全か危険かと決めるのが目的ではなく、これらの食材について植物学、獣医学、食品学など異なった分野からみた玉ねぎ・ニンニクについての情報です。
植物学や獣医学の専門家ではなく、単なる犬飼いのひとりですので、この情報のご利用は自己責任でお願いします。
玉ねぎ(Allium cepa)とニンニク(Allium sativum)はどちらもユリ科(Liliacea, Amaryllidaceae, Alliaceae)のネギ属(Allium)の植物です。 ”Allium”というのはギリシャ語でニンニクのことだそうです。
玉ねぎ・ニンニクの仲間では他に次のものが食用として広く栽培されています。
●チャイブ-Chive (Allium schoenoprasum L.) エゾネギ。 ギリシャ語の “schoinos”(イグサ)、”prasum”(リーク) イグサのような葉のねぎという意味
●ねぎ(Allium fistulosum L.) ”fistulosum”というのは空洞の茎という意味
●リーキ-Leek (Allium ampeloprassum L. var. porrum) ニラネギ。
玉ねぎは球根のでき方でさらに3つにグループ分けされますが、私達が普通食べている玉ねぎはThe Common Onion というグループに入ります。(要するに代表的な玉ねぎっていうことですね)
オニオン(onion) という玉ねぎの英語名の由来は、ラテン語の(union, unio)から来ています。 これには”大粒の真珠”という意味があるそうです。 また、オニオンという言葉は、玉ねぎだけでなく、ネギ属の植物の総称として使われることもあります。今回一番苦労させられたのはこの点です。 玉ねぎのことを指しているのか、ネギ類という意味で使っているのか迷うことも多くありました。
エジプトのピラミッドを建設した奴隷達は玉ねぎ(ニンニク)を食べていたということも言われていますが、それが玉ねぎなのかニンニクだったのかそれとも別のネギ類だったのかは様々な意見に分かれているようです。
■動物にとって有毒な成分
これらのネギ類に含まれている硫化アリル、又はアリルプロピルジサルファイドが一般に有毒であるといわれている物質です。
玉ねぎやネギ特有の匂いや辛味、涙を出させる刺激性の物質がこの硫化アニルというものです。 でも、この物質は、ビタミンB1の吸収を助ける働きもあるそうです。 ヒトでは新陳代謝を活発にして、疲労回復、精力減退、食欲不振に効果があるということもいわれています。 まあ、量によっては薬にもなるし、毒にもなるということでしょう。
ただ、どのくらいの量なら、安全かというのは、その個体差が大きいので明確にはいえないようです。人間ならば、ある程度体も大きいですから、余程たくさんの玉ねぎやニンニクを食べない限り、気分が悪くなることはあっても命にかかわるほどの問題はなさそうです。
しかし、犬となると、大きさもチワワのような超小型犬からセントバーナードといった超大型犬まで体重だけをみてもかなりの差がありますし、犬の種類や個々の体質などの違いによって耐性もまちまちです。小型犬などでは、下痢を起こしただけでも、かなり衰弱して体に負担がかかります。猫については、玉ねぎだけにかかわらず、薬物一般に対して敏感であるということもいわれています。
実際にあった例では、猫の食欲がないときに、人間の赤ちゃん用のフードを与えることがあるそうなのですが、それらの中に乾燥玉ねぎ粉末が風味をよくするために入っていたのを気付かずに与えた結果、逆に具合が悪くなったということも報告されています。
また、どのくらいの量を与えてかは定かではありませんが、玉ねぎをバブーンなどの霊長類に与えた場合も犬と同様に溶血性貧血になることが報告されています。もちろん、人間においても、過剰に玉ねぎやニンニクを食べた場合、貧血になることは知られています。
*硫化アリルとアリルプロピルジサルファイドは正確には化学構造上違いがあるらしいですが、玉ねぎ中毒に関しては同じものとみなしても問題ないと思います。
■玉ねぎ中毒とは?
玉ねぎなどのネギ類に含まれるアリルプロピルジサルファイドが血液中のヘモグロビンを酸化し、赤血球中にグロビンの不溶性変性産物が形成されます。これが、ハインツ小体と呼ばれるものです。赤血球は血管の中を曲がったりねじれたりしながら移動して、体のすみずみに酸素を運ぶのですが、ハインツ小体が形成されると、赤血球が弾力性を失ってしまいます。その結果、壊れやすくなり溶血性の貧血を起こします。なお、一般に貧血というのは、赤血球の数が正常よりも低くなった状態を指します。
玉ねぎ中毒の症状には食欲不振、下痢、嘔吐、黄疸、血尿などがあります。また、体の細胞組織に十分な酸素が運べなくなるので、それを補おうとして動悸や呼吸が早くなったりもします。症状の度合いは、玉ねぎの摂取量、摂取し続けた期間、個体の体重などにより異なり、場合により命にかかわることもありますので要注意です。軽症の貧血では、歯茎をみると健康なピンク色ではなく白っぽくなっていることがあります。また、大量の赤血球が破壊された場合は、尿中にヘモグロビンが排出されるので、赤っぽい尿が出ます。