トムとジェリー最終回あらすじ
『トムとジェリー』は元々テレビアニメではなく1940年から上映されている短編アニメ映画です。
のちにテレビアニメシリーズにもなりましたが基本的に1話完結で、最終回は存在しません。
今まで三度劇場アニメ化された『トムとジェリー』には、その都度の製作上の区切りとしての最終回はあっても、物語としての最終回が描かれたことはありません。よってこれから紹介する三本の「最終回」も、物語的にはいつものノリと変わらない全く普通の話です。
トムとジェリーはこの後も別のタイトルで数回テレビアニメ化されています(『新トムとジェリー』『トムとジェリー大行進』『トムとジェリーキッズ』『トムとジェリーテイルズ』)が、これらの作品は今日ほとんどテレビで放送されず(『テイルズ』と『キッズ』を除く)馴染み薄いうえ、例によって「区切りとしての最終回」しかないので割愛します。
トムとジェリー第一期の最終回あらすじ
ハンナ&バーベラ監督の最終回「赤ちゃんは知らん顔」
電話に夢中のベビーシッター(ティーンエイジャーの女の子)に代わって、二匹がやたらと家を抜け出す赤ちゃんの後を追いかけるという内容。
トムに爆竹でやられっぱなしのジェリーは、最強の従兄弟マッスルを呼ぶ。マッスルは、トレーニングしたトムをいとも簡単に叩きのめす。敵わないと思ったトムは電話して強そうな尻を突き出して歩く猫3匹を呼ぶ。3匹はトムの家に来てマッスルとやり合う。マッスルは始めやられたが、後はいとも簡単に3匹とも片付けてしまう。トムはこれで完全にマッスルの奴隷となる。マッスルは帰り際にトレードマークのシャツと帽子をジェリーにプレゼントする。そしてトムに自分の足にキスさせる。ブッチ、ライトニングらカメオ出演
ちなみにこの「第一期」が一番スタンダードなトムとジェリーで、名物キャラの「ブルおじさん(スパイク)と息子(タイク)」や「野良猫ブッチ」、「子鼠ニブルス(タフィー)」に「おしゃべりなアヒルの子」はこの時代の産物です(第二期・第三期には未登場)。
トムとジェリー第二期の最終回あらすじ
ジーン・ダイッチ監督の最終回「新カルメン物語」
『カルメン物語』の演奏会場に逃げ込んだジェリーを捕まえるため、トムも演奏者になりすまして会場に忍び込むという内容。
カルメンの演奏会にジェリーを追いかけて何とか忍び込んだトムは、自動で演奏するバイオリンを弾きながらチーズでジェリーをおびき寄せる。指揮者に叩きのめされたトムは、ジェリーに仕掛けられ指揮をするハメになる。しかし、ジェリーが作ったアリで出来た音符に翻弄され演奏会は滅茶苦茶になる。カルメンのオペラが始まろうとするが、ジェリーに驚いた女優が逃げてしまう。トムの影を見た指揮者は怒ってトムに猛牛のように襲ってくる。そしてジェリーは指揮者となって音楽を演奏させる。
一見第一期に近い絵柄に見えて、でもよく見ると安っぽいのがこの「第二期」です。
トムとジェリーの他に、動物よりも人との絡みが多く、ほぼ全身が描かれるのも特徴。
トムとジェリー第三期の最終回あらすじ
チャック・ジョーンズ監督の最終回「夢よもう一度」
トムは巨大なブルドックに殴られる夢を見て目を覚ます。骨を持って外に出るジェリーを追っていくと巨大な犬小屋の中に入っていく。トムは夢を思い出してゴミ箱の陰に隠れる。出てきたのはジェリーより小さなサイズのブルドックだった。甘く見てジェリーを捕まえると、素早い動きでトムの全身の毛をかみ切ってしまう。冷蔵庫の食べ物を好き放題食べているブルドックをハンマーで殴ろうとするとハンマーと共にトムまでもかみ切ってしまう。犬がいやがるニオイを全身にまいてブルドックに挑む。はじめ尻尾を巻いて逃げていったが、鼻をつまんで戻ってきて、ジェリーを食べようとしたトムに噛みつく。おびき寄せたブルドックを金庫の中に閉じこめて、地下に埋めてしまい、ジェリーを追いかける。ちょうどジェリーを捕まえたところで、金庫を噛み破って出てきたブルドックに毛を全て噛みちぎられる。
タイトルバックでトムがニャーゴと鳴くのが「第三期」です。絵柄が全体的に落書きっぽいというか、トムの顔が濃いのが特徴です。
監督がチャック・ジョーンズに変って、トムやジェリーの絵や背景など全てがバックス・バニー風となりました。
ちなみに日本で放送されていたオープニングの曲やトムがO(オー)から顔を出してジェリーがY(ワイ)の上に落ちてくるオープニングシーンは、このチャック・ジョーンズ期です。
トムとジェリー最終回・夢よもう一度は都市伝説?
トムとジェリー最終回「夢よもう一度は」は第3期の最終回。
ある日トムが死んで他の猫がジェリーのお家に来てぼこぼこにジェリーがやられてトムは本当は手加減してたんだなというのは都市伝説です。
ジェリーが大人になった頃トムは死んでいた。
トムは自分が衰えているのが分かりジェリーの前で哀れな姿を見せたくなかったので
ジェリーの前から姿を消した。
ジェリーはトムがいなくなっても悲しみはしなかった。退屈になるなと思いました。
トムとの喧嘩は大変スリルのあるゲームだったので
不思議に胸の奥がチクチクしました。
でもジェリーにはそれが何なのか分かりませんでした。
トムの願い通りジェリーの中では仲の悪い喧嘩相手でした。
そんなある日ジェリーの前に1匹の猫が現れました。
トムよりのろまで体も小さい猫です。
ジェリーはこの猫を喧嘩相手にしようと思いました。
そこでジェリーは穴のあいた三角チーズが仕掛けられたネズミ取りを利用してその猫に罠を仕掛けました。
いつもトムにやっていたように。
ジェリーは物陰に隠れてネズミを求めて猫がネズミ取りの近くに来るのを待っていました。
そして思惑通りに猫が罠に向かって近づいてきます。
ジェリーはシメシメと思いました。いつものように自分がネズミ取りに引っかかるふりをして逆に猫をネズミ取りにかけてやるんだ。
うふふ。
手か尻尾をはさんだ猫の飛び上がる姿が頭に浮かび愉快です。
でも、その猫はトムではありません。
猫はチーズの近くに来た時ジェリーが出てくるより先に美味しそうなネズミの臭いに気づき目にも止まらぬ速さでジェリーに襲いかかりました。
ジェリーはいつもトムから逃げていたように逃げましたがトムよりのろまなはずの猫にすぐ追いつかれてしまい体をガブリと噛まれました。
ジェリーも噛みつき返しましたがトムより体の小さいはずの猫は平気です。
血まみれのジェリーは薄れ行く意識の中で
本当はネズミが猫と喧嘩して勝てるわけないことと、いつもトムはジェリーに「してやられた」ふりをしてわざとジェリーを捕まえないでいたことその時初めて知ったのです。
トムの大きな優しさと友情に気づいたのです。
そしてトムのいなくなった胸のチクチクにも気づきました。
かけがえのない友を無くした悲しみでした。
ジェリーの魂が体を抜けた時空の上には優しく微笑むジェリーを待つトムがいました。
「また喧嘩が出来るね」
「のぞむところさ、今度こそは捕まえてやるぞ」