東証(東京証券取引所)では、2020年度の下半期の初日となった10月1日に大規模なシステム障害が発生してしまったようです。
NHKのニュースサイトでは東証(東京証券取引所)の取引開始前の8時59分の時点で上場しているすべての銘柄の取り引きを停止することが報道されています。
東証(東京証券取引所)システム障害の原因はアローヘッド?
2020年10月1日に発生した東証のシステムトラブルは相場情報の配信システムに何らかの異常が発生したという報道が見られます。
調べてみると、東証(東京証券取引所)は2019年11月に式売買システム「arrowhead(アローヘッド)」を刷新。
稼働初日となった2019年11月5日からスムーズに取引が開始され、その後は目立ったトラブルも発生していなかったようです。
新システムでは注文を受信してから応答を返すまでの時間が従来の300マイクロ秒から200マイクロ秒まで縮められ、より多くの注文をタイムラグなく受発注できるようになっていました。
「arrowhead(アローヘッド)」のシステム開発を担当したのが富士通なので、現在はおそらく富士通で原因究明・復旧作業がすすめられているとみられますが、東証は10月1日は取引が終日停止されることが発表されているので、復旧はどんなに早くとも明日(10月2日)の朝9時となりそうです。
追記:午後5時30分時点
東証の宮原社長から10月1日午前7時4分にアローヘッドの運用系のネットワークの1号機のメモリ故障を確認。
ただアローヘッドの運用では1号機、2号機があり、本来であれば2号機に切り替わる予定だったが切り替わりが正常に行われなかったという説明がありました。
メモリ故障などのハードウェア故障を見据えたシステムの冗長性対策はしていたものの、この切り替えがスムーズ行かなかったことが今回の大規模なシステム障害の原因のようです。
追記:午前9時45分時点
今回の障害とアローヘッドとの関連は不明で、相場情報の配信については、富士通は「弊社のシステムではない」とコメントを発表しています。
原因はシステム設計のバグではなくインフラにある可能性も考えられます。
東証は取引系以外の情報系システムの全てのインフラ部分でニュータニックスを採用しています。
東証(東京証券取引所)の復旧・再開のめどは?
東証(東京証券取引所)のシステムが全面的に停止するという事故は今回が初めてではなく、過去にも何度か発生しています。
直近では2012年2月に、情報配信システムの障害が発生し、2451銘柄の売買が午前中の間は停止となっていました。
買注文を付け合わせるシステムは正常だったものの東証の取引データを管理する8台のサーバーのうち、1台に障害が発生したことが原因となっていました。
今回は特定の銘柄ではなく全銘柄で売買停止となっているため、おそらくは原因究明はそれほど困難な作業にはならないと思われるものの、
もしかしたら復旧・取引再開ができるまでには時間を要するかもしれません。
ちなみに、東証でシステム障害で史上初の全銘柄売買停止となったのは2005年11月1日のことで、当時は午後1時30分から取引が再開されています。