通関士は、輸出入取引を行う企業の依頼を受け、輸出入に必要な手続きや書類作成などを代行する仕事
2024年の通関士試験は下記のような日程・内容で行われました。
■通関士試験の日程・時間
2024年10月6日(日)
通関業法 9:30~10:20 50分
関税法 他 11:00~12:40 100分
通関実務 13:50~15:30 100分
通関士試験解答速報2024
2024年の通関士試験は下記のような手段で解答速報を知ることができます。
twitterのハッシュタグ「#通関士試験解答速報」
5ch
「資格の大原」と「LEC東京リーガルマインド」では通関士試験の解答速報は発表していないようです。
twitterのハッシュタグでは他にも「#通関士試験」や「#通関士解答速報」で解答が続々と投稿されるし、
5ch掲示版にも解答がドンドン投稿されていきます。
最終的に完成度の高い解答速報が出来上がるスピードで言えば、
例年だと5ch掲示版が最も速くなります。
正式な解答は後日、日本関税協会のHPで公開されます。
通関士試験の合格率,合格基準は?
通関士試験の合格率
通関士試験は、近年合格率が10~20%台で推移しており、難易度が高い国家資格と言えるでしょう。 平均合格率は15.6%(過去57回の試験結果)です。 ただし、令和5年度(第57回)試験では24.2%と比較的高い合格率でした。
合格率のばらつきが大きい試験ではありますが、受験者数は6,000人台で安定しています。
通関士試験の合格基準
通関士試験の合格基準は、明確な数字は公表されておらず、例年、合格発表時に公表されます。 しかし、一般的には、3科目すべてにおいて得点率60%以上を獲得すれば合格できるという認識がされています。
試験は絶対評価であるため、科目ごとに足切り点などはなく、苦手科目があっても、他の科目でカバーすることはできません。
過去には、通関実務のみ得点率50%以上で合格できた年もありました。
合格基準は年度によって変動する可能性はありますが、近年は3科目とも60%以上の得点率で推移しているため、この基準を目標に学習を進めるのが良いでしょう。
通関士試験の内容(出題範囲・問題数)
試験科目と内容
通関士試験は、「通関業法」「関税法等」「通関実務」の3科目から成り、輸出入の際に必要な手続きや法律に関する知識を問われます。
- 通関業法
- 通関業務を行う業者に関する法律で、通関士の設置などについても規定されています。
- 試験では、条文の内容を問う問題が多く出題されます。
- 関税法等
- 関税や輸入貨物に関する法律で、「関税法」「関税定率法」「関税暫定措置法」「為替法」などが含まれます。
- 試験範囲が広く、問題数も多い難関科目です。
- 条文の内容を理解した上で、応用問題にも対応できる知識が求められます。
- 通関実務
- 実際に通関書類を作成する知識やスキルを問う、実践的な科目です。
- 輸出入申告書の作成、課税価格や関税額の計算、貨物の分類などが出題されます。
- 3科目の中で最も難易度が高いとされています。
試験形式
- 全てマークシート方式です。
- 「択一式」「選択式」「計算式」「申告書作成」の形式で出題されます。
- 択一式: 正しいもの1つを選ぶ問題
- 正しい選択肢がない場合は「0」をマークします。
- 選択式: 複数の選択肢から、正しいものや誤っているものを全て選ぶ問題
- 全て正解しないと得点になりません。
- 計算式: 貨物の価格や税額などを計算する問題
- 電卓の使用が認められています。
- 申告書作成: 与えられた資料を基に、輸出入申告書を作成する問題
- 択一式: 正しいもの1つを選ぶ問題
合格基準
- 3科目全てにおいて、概ね満点の60%以上の得点が必要です。
- 合格基準は例年通りになる可能性はありますが、事前に公表されず、合格発表時に発表されます。
- 科目ごとに足切り点などはありませんが、苦手科目を作らず、バランスよく学習することが重要です。
その他
- 試験は毎年10月上旬に実施されます。
- 受験資格は特になく、誰でも受験可能です。
通関士試験は、専門的な知識が問われる試験であり、合格率も低い傾向にあります。 しかし、計画的に学習を進めれば、決して合格不可能な試験ではありません。 基礎からしっかりと学習し、過去問演習などで応用力を養うことが重要です。
通関士試験の難易度,受験生感想まとめ
通関士試験の難易度は高く、合格率は10~20%程度で、合格率は年によってばらつきはあるものの、過去数年分を見ると14~20%程度で推移しています。 受験者数は6,000人台で安定しており、最近は合格率が上昇傾向にありますが、合格には一定期間しっかりと対策をする必要がある難関資格と言えます。
難易度が高い理由
- 貿易や法律の専門用語が多い: 法律関係の勉強をしたことがない人にとっては馴染みにくい用語が多く、試験問題を理解するのも難しいとされています。
- 覚えた知識の応用力が必要: 単純に知識を暗記するのではなく、実務でどのように使うか、という応用力が求められます。
- 法改正があるたびに内容に対応する必要がある: 法改正があると試験範囲も変わるため、最新の情報を入手し続ける必要があります。 特に独学の場合、最新情報を自分で確認する必要があるため負担が大きくなります。
科目別の難易度と対策
- 関税法等: 試験範囲が最も広く、多くの受験生が苦労する科目です。 過去問を繰り返し解き、出題傾向を掴むことが重要です。
- 通関実務: 専門用語や計算問題が多く出題されるため、難易度の高い科目です。 特に「申告書作成」は、実務経験がない受験生にとっては難しいとされています。 過去問を繰り返し解き、早く正確に解くスキルを身につけることが重要です。
- 通関業法: 3科目の中では比較的取り組みやすい科目です。 条文の内容を暗記することが重要です。
その他
- 合格基準: 例年、全科目での得点率60%以上が合格ラインとなっていますが、合格基準は事前に公表されず、合格発表と同時に公表されます。
- 勉強時間: 一般的に400時間程度の勉強時間が必要とされています。 これは1日平均2時間程度の勉強を6ヶ月間続ける計算になります。
- 勉強方法: 独学でも合格は可能ですが、通信講座などを利用する方が効率的に学習を進められます。 特に、法律の予備知識がない方や試験の形式に慣れていない方は、講座の受講がおすすめです。
通関士試験は決して容易な試験ではありませんが、しっかりと計画を立てて対策すれば合格は不可能ではありません。法律や貿易の知識を深め、国際物流業界で活躍できるよう頑張ってください。
通関士について
通関士は、輸出入取引を行う企業の依頼を受け、輸出入に必要な手続きや書類作成などを代行する仕事です。 具体的には、以下の業務を行います。
- 輸出入申告書の作成・提出: 輸出入者は、貨物を輸出入する際、税関に輸出入申告書を提出する必要があります。 通関士は、顧客である輸出入者から貨物の内容や価格などの情報提供を受け、必要な書類を揃え、輸出入申告書を作成します。 そして、作成した書類を税関に提出します。 輸出入申告は、現在ではNACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)を利用した電子申告が主流ですが、通関業者は専用システムからNACCSにアクセスして電子申告を行うため、一般企業は通関業者に依頼することになります。
- 関税の確定と納付: 輸入貨物には関税がかかり、原則として輸入者が支払う義務があります。 関税額は、輸入申告の内容に基づいて税関が確定します。 通関士は、顧客に代わって関税の納付手続きを行います。 関税の納付が完了すると、税関から輸入許可書が交付され、輸入者は貨物を保税地域から引き取ることができるようになります。
- 各種書類の審査・作成: 通関士は、輸出入申告書以外にも、様々な書類の作成や審査を行います。 例えば、「特例輸入者(または特例輸出者)の承認申請書」「船(機)用品積込申告書」「蔵入、移入、総保入承認申請書」「不服申立書」「特例申告書」「修正申告書」「更正請求書」「異議申立書」「審査請求書」などがあります。 これらの書類は、貨物の種類や状況に応じて必要となるため、通関士は幅広い知識と経験が求められます。
- 税関への対応: 輸出入申告書に不備があった場合や、税関から貨物の検査を求められた場合などは、通関士が顧客に代わって税関に対応します。 場合によっては、税関と交渉を行い、円滑な輸出入手続きを進めることもあります。 また、税関の処分に不服がある場合は、不服申し立ての手続きを行うこともあります。
通関士は、貿易に関する専門知識を生かし、輸出入取引をスムーズに行うために、重要な役割を担っています。