分子間力とファンデルワールス力の違いは何ですか?
高校化学の範囲で分子間力とファンデルワールス力にはどんな違いがあるんでしょうか?
分子間力とファンデルワールス力の違いは?
ファンデルワールス力とは分子間力の一種です。
極性、無極性を問わず、すべての分子間に働く弱い引力を指します。
極性分子の間にはたらく静電気的な引力や、すべての分子間にはたらく引力などをまとめて、ファンデルワールス力といいます。
分子間力は、分子間に働く引力をすべて含めます。
分子内で電荷が均一ではないことによる静電的な相互作用も含みますし,ファンデルワールス力の他に、水素結合や電荷間に働くクーロン力も分子間力の一種です。
ファンデルワールス力はそれ以外の電荷を持たない分子にも働く分子間力です。
分子間力には
①イオン間相互作用
②水素結合
③双極子相互作用
④ファンデルワールス力
があり、それぞれは全て分子間にはたらく静電相互作用に基づく引力です。
ですがイオン間相互作用、水素結合、双極子相互作用は永続的な陽と陰との電気双極子により生じますが、ファンデルワールス力は電荷の誘導や量子力学的な揺らぎによって生じたロンドン分散力による一時的な電気双極子より発生しています。
その分子間の相対的な大きさは、イオン間相互作用>水素結合>双極子相互作用>ロンドン分散力(ファンデルワールス力)になります。
ちなみに、静電気力はイオンとイオンの間にはたらく力です。