ベネチア(もしくは英語圏ではベニス)は水の都として世界的な有名な観光地ですよね。
住宅と住宅の間を縦横無尽に水路が張り巡らされていて、その間を観光ボート(ベネチア・ゴンドラ)で遊覧するのがベネチア旅行の定番となっているものの、
2019年のベネチアでは異常潮位となり、ベネチア市内の中で最も標高の低いところにあるサンマルコ広場が一面水没するという衝撃的な映像が報道されてます。
ベネチア水没の原因として温暖化による海面上昇?シロッコ
ベネチア市によると、今回の高潮被害〈異常潮位)は1966年に記録した194センチに次ぐ187センチを記録。
サンマルコ寺院の関係者によると「1200年の歴史で6度目」というほどの深刻な被害となったようですが、
ベネチアが水没した原因は温暖化による海面上昇が関係している可能性は否定できません。
実際に国立地球物理学火山学研究所などの研究によると、ベネチアの平均海面は2050年に最大約42センチ、
2100年には最大約108センチ上昇すると想定されています。
温暖化というと「二酸化炭素削減!」「環境保護!」という考えにすぐに結び付けて考えてしまう人がいるものの、
地球の長い歴史を見てみると氷河期と温暖化は交互に繰り返し起きているもので、
人間の活動が地球温暖化に致命的な影響を与えているというわけではなさそうで、
今回のベネチア水没に関しても、アフリカらイタリア半島にかけて吹く南風のシロッコが原因のようです。
サンマルコ広場が水没したのも今回が初めてではなく高潮の度に水没することがしばしば。
高潮の度に浸水したサンマルコ広場で渡し板の上を歩く観光客の姿がベネチアで見られるようになったようですが、
ただ高潮の頻度が増えている点には気を付けないといけませんね。
ちなみに、2018年10月29日にも史上4番目の記録となる156cmの水位となり、
サンマルコ広場が水没するなど、町の75%が水没しています。
しかもこの時にベネチア・マラソンが中止になるかと思いきや開催となり、
水浸しの通りをランナーが走る姿も話題になりました。
ベネチア水没いつまで?現在(2019)のベネチアの様子は?
ベネチアではもともと高潮被害(異常潮位)が発生することから、
住宅に浸水被害が出る潮位が110センチを超えると高潮警報のサイレンが鳴るようになっているので、
ベネチア市民にとっては「またか」といった印象なのかもしれませんが、市民生活には間違いなく大きな影響が出ます。
ベネチア市によると水位が65センチ上がるとゴミ収集船の航行が困難となり、
95センチまで水位が上昇すると救急船が橋につかえて入れなくなってしまうんだとか。
ベネチア市も家を新築する場合は海抜1・5メートル以下に住むことを禁止にしているため、
多くの人は2階以上に住むようになっているそうですが、ベネチア水没いつまで続くのかというと、
史上4番目の記録となった2018年10月29日の時には11月7日の時点ですでに水は引いたようです。
ベネチア水没がいつまで続くのかというと今回もそれ程長く続くわけではなく、
1週間くらいで水が引くのではないかと思われます。