若紫の現代語訳・最後は?わかりやすい源氏物語

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源氏物語の若紫を分かりやすく現代語訳!

源氏物語で若紫のあらすじ・最後は?

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若紫の現代語訳・最後は?わかりやすい源氏物語

源氏物語の若紫は光る源氏の十八歳春三月晦日から冬十月までの物語

■第一章 紫上の物語 若紫の君登場、三月晦日から初夏四月までの物語
三月晦日、加持祈祷のため、北山に出向く—瘧病みに罹りなさって
山の景色や地方の話に気を紛らす—少し外に出て見渡しなさると
源氏、若紫の君を発見す—人もいなくて、何もすることがないので
若紫の君の素性を聞く—「心惹かれる人を見たなあ
翌日、迎えの人々と共に帰京—明けて行く空は、とてもたいそう霞んで
内裏と左大臣邸に参る—君は、まず内裏に参内なさって
北山へ手紙を贈る—翌日、お手紙を差し上げなさった

■第二章 藤壺の物語 夏の密通と妊娠の苦悩物語
夏四月の短夜の密通事件—藤壺の宮に、ご不例の事があって
妊娠三月となる—宮も、やはり実に情けないわが身であったと
初秋七月に藤壺宮中に戻る—七月になって参内なさった

■第三章 紫上の物語(2) 若紫の君、源氏の二条院邸に盗み出される物語
紫の君、六条京極の邸に戻る—あの山寺の人は、少しよくなって
尼君死去し寂寥と孤独の日々—神無月に朱雀院への行幸があるのであろう
源氏、紫の君を盗み取る—君は大殿においでになったが

光源氏が18歳のとき、病気療養のために、北山あたりへお忍びで訪れます。桜の季節なので、源氏はその景色にうっとり見惚れてしまいます。

日もたいそう長くて、何もすることがないので、夕暮れ時の深くかすんでいるのに紛れて、あの小柴垣の付近にお立ち出でになった。

お供の人はお帰しになり、惟光朝臣といっしょに僧都の坊をお覗きになると、ちょうどこの西面に、仏を安置して勤行している人は尼だった。

少女たちが簾を少し上げて、花を供えている最中のようだ。中の柱に寄り掛かって座り、脇息の上にお経を置いて、とても大儀そうに読経している尼君は、普通の身分の人とは見えない。

四十過ぎくらいで、とても色白で上品で、痩せてはいるが頬はふっくらとして、目もとのぐあいや、髪がきれいに切り揃えられている端も、「かえって長い髪よりも、この上なく現代風な感じだなあ」と興味深くご覧になった。

小綺麗な女房二人ほど座っており、それから童女が出たり入ったりして遊んでいる。

その中に、十歳くらいかと見えて、白い袿の上に、山吹重ねなどの、糊気の落ちた表着を着て走ってきた女の子は、大勢見えた子供たちとは比べものにならず、たいそう成人したときの美しさがうかがわれて可愛らしげな顔かたちである。

髪は扇を広げたようにゆらゆらとして、顔は手でこすってとても赤くして立っている。

「どうなさったの。童女とけんかをなさったのですか」と言って、尼君が見上げた顔に、少し似ているところがあるので、その子どもなのだろうとご覧になる。

「雀の子を、犬君が逃がしちゃったの。伏せ籠の中に閉じこめておいたのに」と言って、とても残念がっている。

そこに座っていた女房が、「またうっかり屋さんのが、このようなことをして責められるとは、ほんと困ったことね。どこへ飛んで行ってしまいましたか。とても可愛らしくだんだんなってきましたものを。烏などが見つけたら大変」と言って、立って行く。

髪はゆったりとたいそう長くて、感じのいい人のようだ。少納言の乳母と人が呼んでいるらしい人は、きっとこの子のご後見役なのだろう。

尼君が、「何とまあ、若紫は幼いことよ。聞き分けもなくいらっしゃること。私がこのように、今日明日にも知れなくなっている命を何ともお思いにならず、雀を追いかけていらっしゃることよ。生き物を閉じこめるのは罪を得ることですよと、いつも申し上げていますのに、情けないこと」と言って、「こちらへ、いらっしゃい」と言うと、若紫はちょこんと座った。

顔つきがとても可愛らしげで、眉のあたりがほんのりとして、子供っぽく髪を掻き上げた額つきや、髪のぐあいも大変に可愛らしい。

「成長して行くようすを見たい人だなあ」と、源氏のお目がおとまりになる。

それと言うのも、限りなくお慕いしているあの藤壺の方に、とてもよく似ているので、目が引きつけられるのだと、思うにつけても源氏は涙が落ちる。

尼君は、若紫の髪を撫でながら、「髪を梳くのをお嫌がりになるけど、美しいお髪だこと。ほんとうに子供っぽくいらっしゃるのが、かわいそうで気がかりです。これくらいの年になれば、もっとしっかりした人もありますものを。亡くなった母君は、十歳で父君に先立たれなさった時は、それはよく物がお分かりになっていらっしゃいましたよ。たった今、私があなたを残して逝ってしまったら、どうやって生きていかれるのでしょう」と言って、たいそう泣くのをご覧になると、源氏も何とも言えず悲しい。

子供心にも悲しく思うのだろう、尼君の顔をじっと見て、やがて伏し目になってうつむいたところにこぼれかかった髪が、つやつやとして美しく見える。

尼君が、「これからどこでどう育って行くのかも分からない若草のようなあなたを残してゆく、露のようにはかない私は消えようにも消えていく空がありません」もう一人の座っている女房が、「本当に」と、涙ぐんで、「初草のように若い姫君のご成長もご覧にならないうちに、どうして露は消えようとなさるのでしょうか」と申し上げているところに、僧都が向こうからやって来て、「ここは人目につくのではないでしょうか。

今日に限って、端近にいらっしゃいますね。この上の聖の坊に、源氏中将が瘧(おこり)病のまじないにいらっしゃったのを、たった今、聞きつけました。

ひどくお忍びでいらっしゃったので知りませんで、ここにおりながら、お見舞いにも上がりませんでした」とおっしゃると、尼君は、「まあ大変。たいそう見苦しいさまを、誰か見たでしょうかしら」と言って、簾を下ろしてしまった。

僧都が、「今、世間で評判の高い光源氏を、この機会に拝見なさいませんか。私のような俗世を捨てた法師の気持ちにも、まったく世の憂いを忘れ、寿命が延びるほどのごようすの方です。

どれ、源氏の君にご挨拶を申し上げよう」と言って、立ち上がる音がするので、源氏はお帰りになった。

まとめ:若紫の現代語訳・最後は?わかりやすい源氏物語

源氏物語の若紫で主な登場人物は、源氏(17歳)と若紫(10歳)と尼君(祖母)です。

脇役が、侍女と侍女の娘と思われる子供達です。尼君の兄もさいごにちょっと登場します。登場しないのにとても重要なのが、源氏の片思いの相手「藤壺」です。

若紫がせっかく飼っていたスズメを、「いぬき」と呼ばれる子供がうっかり逃がしてしまいました。

若紫がくやしくて泣いているところを源氏がのぞき見します。

侍女は、若紫のいうなりで、「逃げたりしてカラスにでもいたずらされたら、あの雀は困るでしょう」と言います。

でも、尼君はきびしく、「生き物をつかまえて飼うこと自体よくないことでしたよ。」と叱ります。

尼は死にそうです。若紫はこのあとひとりぼっちになりそうなのです。

春の夕暮れ、このようすを見た源氏は、あとで、叔母と姪の関係だとわかるものの、片思いの人とこの10歳の少女の顔がそっくりなことに勘違いで驚いてしまいます。

源氏の近所に、知り合いの坊主の家があり、そこを女性たちがウロチョロしてるので、源氏は興味を持って覗くとかわいい女の子が「雀が逃げたよぉ」と泣いています。

しかも、あこがれの藤壷とそっくり

両親もいないらしいから、引き取りたいと思い坊主に話を聞くと、その少女は藤壷の姪だそうです。だから似てるんだ。

源氏は「夢におつげがあったんです。結婚を前提にその子を引き取らせてください」と言いますが、一度断られます。それで都に戻りますが、葵の上が全然かわいくないから、あの子のことを思い出してしまいます。

使いの者を出して、あの子をひきとりたいと申し込み続けます。

その間、あこがれの藤壷と二度目の契りを交わして、藤壷が妊娠してしまいます。表向きは、桐壺帝の子供です。

そうこうしているうちに、あの子を父親の兵部卿宮が引き取るという話を、源氏は聞きつけます。それなら、先に奪っちゃえ!と勝手に連れて帰ってしまうのです。

最初は怖がっていた女の子も、すぐに慣れてきて、源氏に甘えるようになり、夜は源氏の懐に抱かれながら寝るようになります。

その子は、藤壷と似ているので、藤の花の色=紫で、紫の君(紫の上)と呼ばれるようになります。

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