柳澤寿男さんがNHK・Eテレ「SWITCHインタビュー 達人達(たち)石井竜也×柳澤寿男」に出演!
石井竜也さんとは2020年にオーケストラで共演することが決まっているので、その宣伝も兼ねているとみられますが、
柳澤寿男さんの活躍はこれまでNHKを中心に何度も特集され、世界の懸け橋として活躍する姿には日本人として誇らしく思いますね。
柳澤寿男wikiプロフィール
出身地:長野県下諏訪町
生年月日:1971年8月23日
年齢:48歳(2020年6月現在)
高校:諏訪清陵高等学校(長野県立)
大学:国立音楽大学器楽科トロンボーン専攻(国内での最終学歴)
留学:エコール・ノルマル音楽院
職業:音楽家・指揮者
師事:佐渡裕、大野和士、ジェームズ・レヴァイン、クルト・マズア
柳澤寿男さんの苗字は正しくは「柳」ではなく「木」へんに「夘」という常用漢字には含まれない字です。印鑑やハンコを作るときに困ってしまいますね。
コソボ地域での精力的な音楽活動が評価されニューズウィーク日本版「世界が尊敬する日本人100」に選出され、
2013年には高等学校教科書「世界史A」にも柳澤寿男の活動が記載されるようになりました。
柳澤寿男の経歴
柳澤寿男さんは大学卒業後のウィーン旅行中に小澤征爾さんの指揮するオーケストラに強く魅了され、指揮者を志す決意を固めます。
ただ、小澤征爾さんに直談判して指揮者の弟子にしてもらうことなんて到底不可能な話ですから、柳澤寿男さんは弟子入りを認めてもらえた佐渡裕や大野和士さんの下で修行の日々に明け暮れます。
オーケストラの指揮者になるためには、たった1つの音符のミスも聞き漏らさないほど優れた聴覚が必要といわれるんですが、柳澤寿男さんには恵まれた才能がやはり備わっていたんでしょう。
2000年には、東京国際音楽コンクール指揮部門で第2位を受賞し、プロの指揮者とみなされる実績を上げると翌年の2001年3月に大阪フィルハーモニー交響楽団で指揮者デビューを果たします。
ちなみに東京国際音楽コンクールは1967年の開始当時「民音コンクール」とも呼ばれていたコンクールで、アジアで唯一の指揮者の登龍門として世界的に注目を集めています。
2003年にはスイス・ヴェルビエ音楽祭指揮マスタークラス・オーディションに合格し、ジェームズ・レヴァイン、クルト・マズアにも師事しています。
ちなみに、柳澤寿男さんが指揮者を目指すきっかけとなった小澤征爾さん指揮の楽曲は、
R.シュトラウス「アルプス交響曲」(ウィーンフィルハーモニー管弦楽団の)です。
■客演した交響楽団
札幌交響楽団、仙台フィルハーモニー管弦楽団、群馬交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、東京都交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、新星日本交響楽団、オーケストラ・アンサンブル金沢、名古屋フィルハーモニー交響楽団、京都市交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、関西フィルハーモニー交響楽団、兵庫県芸術文化センター管弦楽団など
柳澤寿男の学歴(高校,大学)は?
柳澤寿男さんは諏訪清陵高校という長野県内では大学進学実績のある高校に通っていて、大学は国立音楽大学に進んでいます。
器楽科トロンボーン専攻だったので、高校時代はオーケストラ部に所属をしてトロンボーンを演奏していたんじゃないでしょうか。
柳澤寿男の家族(結婚した嫁や子供)は?
調査中
柳澤寿男さんのコソボでの活動
柳澤寿男さんの音楽活動で特筆すべきなのはやはりコソボやその周辺地域でオーケストラの指揮をしたり、交響楽団を結成していることでしょう。
コソボ紛争の一応の終結後、柳澤寿男さんは国連活動の一環でコソボフィルハーモニー交響楽団の首席指揮者に就任し、バルカン室内管弦楽団も設立
バルカン室内管弦楽団はバルカン半島(特に旧ユーゴスラヴィア)の民族共栄を願って結成されたオーケストラで、
旧ユーゴスラヴィア崩壊後、コソボ紛争の影響で結束の乱れたアルバニア人・セルビア人など各民族間の交流の架け橋となるべく活動をしています。
さらに、コソボと対立関係にあったセルビアでも、在セルビア日本国大使のサポートの下でセルビア国立放送交響楽団への客演を行い、
「日本人指揮者と言えどもセルビアのオーケストラの指揮台に立つことは不可能」といわれた空気を一変させました。
こうした実績が評価され、コソボ共和国と日本との国交樹立10周年に当たる2018年、両国の友好関係進展に貢献したとして、
コソボ共和国から大統領勲章も授与されています。
受章者はほかに、日本・コソボ友好議員連盟会長の塩谷立さん、小池百合子東京都知事、森喜朗元総理、JICAの井上健さんなどがいます。
コソボ紛争(コソボ問題)についておさらい
コソボやセルビアといった国があるバルカン半島(特に旧ユーゴスラヴィア)は多民族・多言語・多宗教・多文化と様々な点で衝突が起こりやすく昔から「ヨーロッパの火薬庫」とも呼ばれる地域でした。
歴史的には西暦6世紀ころからスラブ人(ロシアなど北方の血を引く人たち)が入植していたものの、
17世紀以降に台頭してきたオスマントルコ帝国によってバルカン半島南部のアルバニア人がコソボ入植させられます。
※この時代はオスマントルコ帝国の支配下にあったため、現在のように明確な国境があったわけではなく、この辺からあの辺までがコソボと呼ばれる地域、といった感じでしょう。
アルバニア人はバルカン半島最古の民族イリュリア人の子孫という伝承があるようですが、面白くないのはやっぱりスラブ人ですよね。
その後、バルカン半島の南部にアルバニア人の国「アルバニア」が成立するにあたって、コソボもアルバニアの一部に併合されるのが自然な成り行きといえるものの、
なんとヨーロッパ諸国(主にスラブ人が多いウクライナやロシアなど東ヨーロッパ)が介入をしてしまい、コソボは北側にあるセルビア人の国「セルビア」に併合されることになります。
ここまでの話を整理しつつ、宗教の情報も付け加えると、
アルバニア:アルバニア人の国で宗教はイスラム教
コソボ:アルバニア人の国で宗教はイスラム教
セルビア:スラブ人の国で宗教はキリスト教
といった状態となり、コソボはいてもたってもいられず自治権を主張するようになり、一時は自治権が認められ特に紛争問題はありませんでした。
ところが、セルビアを含む数か国が「ユーゴスラビア連邦共和国」となり、コソボも連邦に組み込まれると、
自治権がはく奪され完全にセルビアの一部となってしまったことから、コソボ独立を果たすべく「コソボ解放軍(KLA)」が結成され、コソボVSセルビアの軍事衝突が起こります。
ここにさらにセルビアがコソボのアルバニア系民間人を国外へ追放したことからヨーロッパ諸国で「民族浄化だ!」と非難を浴びるようになり、
NATOがアルバニア人支援、つまりコソボ側に立って軍事支援をするようになるという泥沼のような戦闘状態に陥りました。
結局は、NATO介入や政治的圧力によってセルビア側が折れた形となり、コソボと和敬協定を結び現在に至ります。
柳澤寿男さんが活動する現在でも、コソボではインフラが不十分で、停電や断水は当たり前という決して恵まれた環境ではありません。
2011年11月にはコソボ現地で盲腸にかかり、医師から「12時間以内に手術しなければ命が危ない」と診断されるものの、
現地の医療水準は低い上に、医療器材も不十分で薬品類も古い点に強い不安を覚え、瀕死の状態で自力でドイツのデュッセルドルフにある医療機関まで移動し、
コソボで「命が危ない」と診断を受けたからなんと25時間も過ぎて手術を受け九死に一生を得たと語っています。
柳澤寿男の本
戦場のタクト(書籍)
バルカンから響け!歓喜の歌 紛争の跡地で奏でる奇跡の旋律
柳澤寿男のオーケストラ公演予定(日本)は?
柳澤寿男さんはコソボで積極的な活動を行うだけではなく日本国内でも定期的にオーケストラの指揮を務めています。
2020年の直近では「石井竜也withバルカン室内管弦楽団」を愛知県などで数回行われる予定となっています。
柳澤寿男が出演するテレビ
柳澤寿男さんは「筑紫哲也 NEWS23」で初めて取材を受てから、NHKを中心に様々な番組で取り上げられています。
「戦場に音楽の架け橋を~指揮者柳澤寿男コソボの挑戦」は、第6回日本放送文化大賞グランプリ受賞する番組となり、
2009年5月に、アルバニア人やセルビア人といった民族の枠組みを超えた楽団員を起用したコンサートを開催した模様がドキュメンタリーされました。
ABD特定地域対象プログラム、UNKT国連コソボチーム、KFOR国際安全保障部隊、コソボ警察などの様々な協力を得て、
度重なる苦難を乗り越えて、20年ぶりとなるバルカン半島のハーモニーを奏でることに成功したと話題となりました。
■NHK
「NHK地球アゴラ」
「きょうの世界~独立コソボのいま」
「戦場に音楽の架け橋を~指揮者柳澤寿男コソボの挑戦」
「NHKニュース・おはよう日本~和解へのハーモニー」
「BS特集~和解へのハーモニー」
「BS特集~響け内戦の記憶をこえて」
「SBCニュースワイド~故郷で振る平和へのタクト」
「SBCニュースワイド~故郷に響く平和への祈り」
「サンデースコープ」
「報道の魂~LOTTAPACE」
「JNNルポルタージュ~LOTTAPACE」
「地球テレビ エル・ムンド」
「SBCスペシャル~夕焼けの向こうに・指揮者柳澤寿男の挑戦」
「分断された音楽の架け橋~指揮者柳澤寿男1530日の闘い」
「世界ナゼそこに~日本人 ~知られざる波瀾万丈伝~」
「SWITCHインタビュー 達人達(たち)石井竜也×柳澤寿男」