ヨウ素液を手作りするにはどうすれば良いんでしょうか?簡単な作り方は?
自由研究で「でんぷん」の実験をするときなど、ヨウ素液が必要になりますが、ヨウ化カリウムの代用はうがい薬(イソジン)が使える?
ヨウ素液の簡単な作り方・代用は?ヨウ化カリウムはうがい薬(イソジン)?
ヨウ素は有効な消毒剤およびうがい薬として利用されています。
ヨウ素液はヨードチンキまたはイソジン(正式名称はポビドンヨード)のうがい薬で代用ができます。
ヨードチンキとはヨウ素のアルコール溶液(ヨウ素6gとヨウ化カリウム4gを70%エチルアルコールに溶かし全量を100mlにした赤褐色液剤)
ただヨードチンキでは人体への刺激が強かったことから、ポリビニルピロリドンと合成して開発されたのがイソジン(ポビドンヨード)です
ヨウ素液が濃すぎると期待する青紫色ではなく黒っぽくなってしまうのでヨードチンキもイソジンもそのまま使わずに薄めます。
イソジンなら20倍程度に薄めたもの,ヨードチンキ奈良100倍程度に薄めたもので代用するのようにしましょう。
ちなみにこの時の水は水道水を使うと、溶けている塩素(カルキ)がヨウ素と競合して、色が抜けてしまうことがあるので、精製水を使いましょう。
精製水をすぐに用意できない場合、いったん煮沸をして冷ますかもしくは時間はかかりますがペットボトルなどに水道水を量って入れ一晩おいてから、イソジンを入れるとよいでしょう。
ちなみに、ヨウ素液とはヨウ化カリウム水溶液にヨウ素を溶かした水溶液になります。
ヨウ素液にはヨウ素だけではなくヨウ化カリウムも溶解させている理由は、実はヨウ素単体は水にはあまり溶けないからです。
純粋なヨウ化カリウム水溶液は、無色透明だがこれに水に難溶なヨウ素を加えるとヨウ素イオンと反応して三ヨウ化物イオンとなり、水に溶けるようになる。
この時の三ヨウ化物イオンが赤褐色なので、水溶液は赤褐色になります。
ヨウ化物イオンにヨウ素を加えると
I- + I2 → I3-
となって、ヨウ素の単体I2が溶けて、つまりイオンになってくれるわけですね。
ヨウ化カリウム水溶液の中のヨウ化カリウムのカリウムはアルカリ金属元素であるので、水に溶けて簡単に電離します。つまり沈殿しない。
水の中では、K+とI-になっているわけです。これらのイオンに色はありません。
ヨウ素I2はこのI-と仲がよく、I3-(ヨウ素が3つくっついて、全体で-1の電荷を帯びている)になります。このI3-の色が赤褐色なんです。
だからヨウ素をヨウ化カリウム水溶液に入れると赤褐色色になります。※実際の表記:I3-の3は下つき小文字、-は上つき小文字
ちなみにヨウ素デンプン反応は、このI3-イオンがらせん状のデンプン分子のすき間にうっかり入り込んだクラスレート化合物(包接化合物)になることで呈色します。
またできたヨウ素液は、光に当たると分解してヨウ素が遊離してしまうので、褐色の瓶に入れ、光の当たらないところに保存するようにしましょう。