有楽町三億円事件とは東京・有楽町で現金輸送車が襲われ、現金3億3300万円が奪われた事件。
1968年に東京都・府中で発生し、世間を大きく賑わせた「三億円事件」から「第二の三億円事件(有楽町三億円事件)」として知られています。
有楽町三億円事件wiki|犯人はフィリップ・ジャマン?
1986年11月25日午前8時頃、東京都千代田区有楽町の東京交通会館の路面側に所在した三菱銀行有楽町支店で、現金輸送車が3人組の男に襲われ、現金三億三千万円入りのジュラルミンケース三個と有価証券が入った麻袋三個が強奪される事件が発生。
三人の男たちはワゴン車で逃走した。この車は盗難車。このワゴン車は、現場に近い西銀座地下駐車場に乗り捨てられていた。
現金輸送車で輸送中の現金が奪われたことや、奪われた金額が約3億円であったことからマスコミはこの事件を1968年12月に府中市で発生した三億円事件から「第二の三億円事件」として大々的に報道した。
「第一の三億円事件」では警官に扮した男が3億円を強奪し、その後時効を迎え迷宮入りした。
この2つの三億円事件に携わったのが「指紋の神様」と呼ばれた鑑識課指紋係で長いキャリアを持つ指紋捜査のスペシャリスト塚本宇兵。
塚本宇兵は最初の府中三億円事件の時に犯人のものと思われる指紋を見つけていたが、塚本は犯人を追い詰めることはできなかった。
有楽町三億円事件では、府中の3億円事件の時にはなかったコンピューターでの指紋自動識別システムが導入され、銀行員、造幣局のものとも照合しない、謎の指紋が6つ浮かびあがるものの、またしても犯人特定には至らない。
次に注目したものが逃走車両に残された『毛布』
犯人が生活に使っていたであろう毛布のタグの形態から製造元・販売元などを操作をしたところ、外国人専門に貸し出しているレンタル会社で同じタイプのタグがついた毛布を発見。
毛布の貸し出し先は49件に絞られ、そのうちの一つがフランスのギャング組織の大幹部『フィリップ・ジャマン』だということが判明
フィリップ・ジャマンは盗んだ名画を売りさばくために来日したものの、盗んだ絵画も現金にできなかったことから、気心が知れた3人の仲間と現金輸送車から現金を強奪する計画を立案。
犯行現場には、ワゴン車とは別に「逃走用の車」として二台のレンタカーが用意されていた。
犯行後二台のレンタカーは、二手に分かれて逃走する。フィリップ・ジャマン一味は犯行後、その足で海外逃亡。
ただこの時点では有楽町三億円事件の犯人がフィリップ・ジャマンだという確証は得られていません。
その間、東京・麻布で事件当時、外国人4人が借りたというウィークリーマンションがあることが新たに判明
不動産会社から近くの銀行で両替したとの推測でその際に求められるパスポートの提示から、とうとうフィリップ・ジャマンにたどり着きます。
有楽町三億円事件wiki|犯人フィリップ・ジャマンの現在は?
1987年10月にようやく、銀行で提示されたパスポートの指紋とフランス警察から送られてきた指紋リストを照合した結果、フランスの強盗団グループ(フランス人3人とアルジェリア人1人)の犯行であったことが判明した。
警視庁はICPOを通じて国際指名手配。なおこのグループは、同事件の数年前にも海外の美術館から盗んだ絵画を密売するため入国していたことが判明している。
主犯格以外の3人はフランスで逮捕された。1988年4月、主犯格の犯人は潜伏先のメキシコで逮捕された。
その後、一九九二年十二月十一日パリ・ボビニー地裁はジャマン被告と共犯のノルディン・ティフラに懲役六年の判決を出した。共犯とされたルネ・パストルは無罪となった。この時点で、ユセフは逃走中であった。
警視庁にとって有楽町三億円事件が解決したことは、府中市三億円事件のリベンジといわれた。
ちなみに、事件の現場となった三菱銀行有楽町支店は後に銀座一丁目駅最寄りの東京三菱銀行京橋支店に統合され別のテナントが入居。
2階に「有楽町第二クイックコーナー」としてATMのみ設置となり、現在は三菱UFJ銀行「ATMコーナー有楽町」として存在する。